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2016-10-04

法務省「人権110番」に『ヤンキーゴーホーム』について聞いてみた→結果:「不適切な表現。ヘイトスピーチに該当するかは個別の判断」

| 法務省「人権110番」に『ヤンキーゴーホーム』について聞いてみた→結果:「不適切な表現。ヘイトスピーチに該当するかは個別の判断」を含むブックマーク 法務省「人権110番」に『ヤンキーゴーホーム』について聞いてみた→結果:「不適切な表現。ヘイトスピーチに該当するかは個別の判断」のブックマークコメント

http://www.moj.go.jp/JINKEN/index_soudan.html

差別いじめ嫌がらせ人権に関する問題でお困りの場合は,法務局人権相談をご利用ください。

電話みんなの人権110番(0570-003-110),女性の人権ホットライン(0570-070-810)

子どもの人権110番0120-007-110・フリーダイヤル

というのがあります。

以前から議論になっていた話題民進党「ネクスト法務大臣」に就任した有田芳生議員が、こういう記事を最近書きました。

ヤンキーゴーホーム」はヘイトではない! 高江で見た基地問題本質 (有田芳生) - オピニオンサイトiRONNA http://ironna.jp/article/4068 #iRONNA

へえと、少々おどろいた。

というのは、この議論のとき、ここまでストレートにはあまり語らず「”米軍”出ていけはヘイトスピーチではない」とぼかして、ピントをずらして語る人が多いのですよね。

典型をここに求めることができよう。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/55592

同法国会で審議されているときから、ネットを中心に奇妙な言説が目立つようになった。

 「米軍出ていけ」はヘイトスピーチ−。

実際、ヘイトスピーチ問題取材している私のもとへもどう喝めいた“問い合わせ”が相次いだ。「沖縄米軍差別をどう考えるのか」「辺野古基地反対運動ヘイト認定でいいんだな?」。

(略)

もそもヘイトスピーチとは、乱暴な言葉、不快な言葉を意味するものではない。人種民族国籍、性などのマイノリティーに対して向けられる差別的言動、それを用いた扇動攻撃を指すものだ。ヘイトスピーチを構成するうえで重要なファクト言葉遣いではなく、抗弁不可能属性、そして不均衡・不平等な社会的力関係である。

 これに関しては、同法国会審議において、幾度も確認されたことだった。法案の発議者である参院法務委員会委員西田昌司議員自民党)は私の取材に対し、「米軍基地への抗議は憲法で認められた政治的言論の一つ。同法の対象であるわけがない」と明確に答えた

この記事については、書き手安田浩一氏がtwitterをしているので、リプライを送って感想を述べたことがある。

そこで、全然ちがうからねえ。

ちなみに

同法国会審議」というのは平成28年05月12日の参院法務委員会だろう。http://kokkai.ndl.go.jp/

西田昌司君 先ほどもお答えしましたけれども、そもそもヘイトスピーチ抑制するこの法案、我々の法案の中に、米軍問題というのが立法事実として初めから含まれておりません。そして、なおかつ、この文章を読んでいただいても分かりますけれども、そもそも適法居住する方々を排除するという目的でやっているわけでありまして、米軍というアメリカ軍隊、そういう機関、そういうことは元々この中には入っておりません

 さらに、具体的なその中身を見ないと分かりませんけれども、いわゆる沖縄基地などの前でされている活動というのは、これは政治的なそれぞれの活動であると、政治的政策であったり、その政策に対する批判であったりだと思います。当然、そういうことは憲法上許される表現の自由の一番大事なところでありますから、我々自身がこの法案を作るときに一番気を付けたのは、まさにそうした様々な自由表現の自由、それから思想信条自由、そうしたものが制約を受けない、その受けない中でどうやって実際に行われているヘイト事例を排除していくかということに腐心をしたわけでございます。

 したがいまして、仁比議員が御質問されましたそういういわゆる米軍に対する排撃というのは元々入っておりませんし、政治的なそういう活動に対してこの法律が使われることもあり得ないという認識であります。

西田昌司君 我々は、今申しましたように、政治的表現活動について制限を加えるつもりは全くございません。

 しかし、もう片っ方で、例えば米軍の話今出ましたけれども、アメリカ人出ていけとかいろんな発言もあろうかと思うんですよね。そのときにアメリカ人が、例えば今の仁比委員発言ですと、マイノリティーじゃなくて強いから言ってもいいんだということにもならないと思うんですね。そうじゃなくて、マイノリティーであるかどうかというのは別で、要するに不当な差別的言動とは何かといえば、いわれないということなんですよ。本人がその責に負わない、全くいわれないことで差別的言動侮蔑を受けたり、それから地域社会から排除を受けたりする、そういうことを我々は不当な差別的言動として、国民としてやめようじゃないかと、そういう差別的なことは恥ずべきことだという、そういう思いでこの理念法を作っているわけであります。

 ですから、当然、米軍基地の話はそれとは全く違う話でありますから対象になりませんが、アメリカ人に対して何を言ってもいいのだということを我々は言っているつもりもまたないということは確認させていただきたいと思います。

さて、この国会での発言で「ヤンキーゴーホーム」に問題がないかどうかわかるだろうか。

わからないよねえ。

ということで、冒頭につながるわけですけど…

上のような形で

法務省法務局では、「人権相談」を行っている。

ここに電話して聞いてみりゃいいじゃん!と思いついたので、そうしてみたのであったよ。

日時は2016年10月3日の9時53分。

なかなかむつかしい問題だったと見えて、あちらは正確を期すためか、「折り返してこちらの側から電話したい」とおっしゃるので了承した。ダイヤルは有料の、お高いナビダイヤルだから正直助かった(笑)

そして、同ダイヤルからの返信を、午前10時14分にいただいた。

きちんと見解をまとめたうえでのご返事であったであろう、その返答は

・「ヘイトスピーチ概念はかならずしも確立されたものではない」

との前提をおいたうえで


ヤンキーゴーホームという言葉は、不適切表現である」

との公式見解をいただきました。

ただ

「それが人権侵害に当たるか、法務省で対応すべきものかは、その現場を見ての個別具体的な対応になる。」

とのこと。

なるほど。ただ、そこから関連して1、2点、追加で確認しました。

Q:「個別具体的な対応になるのはそうだろうと思うが、そもそもそれは『ヤンキーゴーホーム』だけではなく、すべての表現がそうなのではないか?個別具体的な対応にはならない表現というのは、もともとないのではないか?」

A:然り。


Q:『例えば』、という例示をさせて頂きます。たとえば北朝鮮核実験をして、その核実験への抗議だということで朝鮮総連会館前に行き「朝鮮人帰れ!」と叫ぶ連中がいるとします。この場合、いや俺たちはあの非道核実験について抗議したんだ、といっても、その対象を民族、国でひとまとめにして「朝鮮人」とくくるのが問題だと思うのですが、『ヤンキーゴーホーム』もそういう点では同じ構造なのでは?

A:然り。

ありがとうございますとお礼をいい、電話での会話は終わりました。

これが2016年10月3日、法務省運営する「みんなの人権110番」からの公式見解です。

だれでも電話できるのだから「本当にこう言ったのか?」とか「大いに異議がある」と感じるかたは、ご自身で確認すればいい。

バズフィード」でも「リテラ」でも「ハフィントンポスト」でも「ロケットニュース」でも、どこでも電話一本で取材して記事をつくることが可能ですから、おすすめ


まあ、官僚組織はこんな面倒な議論には関わりたくないのが本音だろうねえ。

でも、お忙しい中ありがとうございました。

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