米国と中国の覇権争いが激しくなるほど、北朝鮮の核問題は一層漂流する可能性が高い。世宗研究所のチョン・ジェフン研究員は「核問題はすでに米中の覇権争いにおいて重要な要素となっている」「とりわけ韓国へのTHAAD(米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」)配備問題を通じ、北朝鮮の核問題に対する米中両国の考え方の違いが一層明確になった」などの見方を示した。時間が過ぎればそれだけ外交面での解決が遠のく恐れがあるということだ。
現実的に今最も急がれる課題は、次の米国大統領がクリントン氏とトランプ氏のどちらになったとしても、米国に核問題の深刻さを認識させることだ。ある外交筋は「米国も新しい政府が発足してから6カ月以内に、外交面での重要なアジェンダ(政治的検討課題)を全て決める」「(米国が)今の段階から(北朝鮮の核問題を)次の政府の核心的なイシューとして明確にしておけば、外交的解決のきっかけをつかめるだろう」と予想している。オバマ大統領の在任中にイランの核問題を解決した前例があることから、次の政府に対しても北朝鮮により多くの関心を持たせなければならないということだ。