北朝鮮の核問題について複数の識者が「今後1-2年が韓半島(朝鮮半島)の生存を左右するだろう」と口をそろえた。北朝鮮が突き付ける核兵器の前に丸裸になるか、あるいは金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の核開発の意思をくじき、統一に向けた環境をつくり上げられるかの分かれ道にあるということだ。
魏聖洛(ウィ・ソンラク)元外交部韓半島平和交渉本部長は28日「今年に入って北朝鮮が2回核実験を行ったことに注目すべきだ」とした上で「核の輸送手段(ミサイル)の開発は最終段階に入っているが、これは非常に多くの量の核物質を保有していることを意味する」と指摘した。つまり単なる開発ではなく、核兵器の大量生産が近づいているということだ。数十、数百発の核兵器の前に、大韓民国は北朝鮮に対する政治・外交・軍事の全ての面で多くのカードを一気に失ってしまうのだ。
北朝鮮が先日、短距離、中距離、長距離ミサイルを相次いで発射したことについて、別の識者は「核ミサイルの大量生産に向けた最終段階に到達したことを示すシグナル」と指摘する。つまりこれらのミサイル発射は単なる武力の誇示ではないということだ。ちなみにパキスタンは6回の核実験を経て実質的な核保有国の地位を確立した。北朝鮮もすでに5回の実験を行ったため、今後新たな核実験により事実上の核保有国であることを国際社会に認めさせようとするだろう。
世宗研究所の宋大晟(ソン・デソン)元所長は「さまざまな形のミサイル発射試験が行われたことから考えると、核ミサイルはすでに一部実戦配備されたとも考えられる」「今後1年以内にわれわれが北朝鮮による核兵器の大量生産を阻止できなければ、韓半島の運命はどうなるか予想もつかない」などと指摘した。宋氏はさらに「予測不可能な金正恩氏の性格を考えると、有事の際に北朝鮮が核を実際に使用する可能性も高いのではないか」とも述べた。