京都府立総合資料館が閉館、53年の歴史に幕
京都府民の調べ物の殿堂として親しまれてきた府立総合資料館(京都市左京区)で、業務最終日となる13日、閉館記念イベントが催された。ギャラリートークやコンサートに多くの府民が訪れ、53年の歴史を歩んだ同館に別れを告げた。
同館は1963年に開館し、京都に関する資料を集めて保存・活用してきた。老朽化に伴い、府立大北側に新館「京都学・歴彩館」が来年度早期に開館するため、移転準備で14日から閉館となる。
午後4時半、最後のチャイムと共に同館が業務を終えた。閉館後のギャラリートークには府民約110人が参加。職員が鳥瞰図(ちょうかんず)や古文書などの所蔵資料について思い出を込めて解説していった。最後に金田章裕館長が「53年の歴史に幕をいったん閉じるのには感慨がある。長い間多くの人に支えていただき、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。利用者の内海暁夫さん(72)=左京区=は「定年後はよく講演会に訪れた。開館前で資料を集めていたころに、本を引き取ってもらった記憶もある。閉館は寂しいの一言に尽きる」と話していた。
夜には日中両国の民族楽器によるお別れコンサートもあり、最後は温かい拍手の中、幕を閉じた。
【 2016年09月13日 23時20分 】