猛烈な台風18号は3日夜、沖縄県久米島地方を暴風域に巻き込みながら北北西に進んでいる。沖縄気象台では午後7時2分、沖縄本島地方に暴風、波浪、大雨、高潮の「特別警報」を発表。特に久米島を中心に甚大な被害が発生する恐れがあるとして、最大級の警戒を呼び掛けた。台風は同日、急激に発達し、中心気圧905ヘクトパスカルまで低下。沖縄に接近した台風では1959年の台風14号が宮古島で記録した908ヘクトパスカルが最も低く、県内、国内で観測史上最大級の台風襲来となった。

強風で根本が折れて倒れた木=3日午後10時半ごろ、沖縄市越来(喜屋武綾菜撮影)

台風18号の進路予想図(気象庁HPより)

強風で根本が折れて倒れた木=3日午後10時半ごろ、沖縄市越来(喜屋武綾菜撮影) 台風18号の進路予想図(気象庁HPより)

 「特別警報」は「数十年に一度の強さ」の災害が見込まれる場合に発表され、2014年7月の台風8号以来、台風では2回目。

 沖縄気象台によると4日午前0時49分、久米島町北原での観測史上最大となる瞬間風速59.7メートルを記録した。

 沖縄では午後7時5分ごろ、南城市でバイクに乗っていた30代の男性が強風にあおられて転倒、軽傷を負った。那覇市鏡原町では、ビルの外壁タイル(約30センチ四方)が落下。同午後9時ごろ、ビル管理人が豊見城署に通報し、那覇市消防が付近の歩道を規制している。

 台風は3日夜遅くから4日未明にかけて沖縄本島地方に最接近し、4日朝まで暴風が吹く見込み。予想される最大風速は60メートル、最大瞬間風速は85メートルで、猛烈な風が吹く見込み。

 4日午前2時現在、台風は久米島の北西約50キロを時速15キロで北北西に進んでいる。中心気圧は905ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は60メートルで最大瞬間風速は85メートル。中心から半径90キロ以内では風速25メートル以上の暴風域で、中心の北東側280キロと南西側220キロ以内では、風速15メートル以上の強風域となっている。

 沖縄本島地方では3日夜遅くから局地的に1時間に80ミリの猛烈な雨が降る見込み。5日午前0時までの24時間予想雨量は200ミリで、気象台では土砂災害や低い土地の浸水、冠水に注意を呼び掛けている。

 台風の接近に伴い、県内各地では自主避難する人が相次いだ。県によると3日午後10時現在、県内115カ所に避難所が置かれ、少なくとも496世帯820人が避難。沖縄電力によると4日午前3時現在、久米島町や座間味村、中城村などで計3900世帯が停電している。

 台風は今後、勢力を弱めながら北に進み、九州方面に向かう見込み。