10月01日 08時28分
21年前に愛知県豊田市で起きた殺人事件で、意思の疎通が困難な状態になった被告の裁判の打ち切りについて、最高裁判所で弁論が開かれることになり、裁判の打ち切りを認めなかった2審の判決が見直される可能性が出てきました。
平成7年、豊田市で、塚田鍵治さん(当時66)と、孫で1歳の翔輝ちゃんの2人が殺害された事件では、73歳の男の被告が殺人などの罪に問われ、平成9年に「心神喪失の状態だ」として審理が停止されました。
弁護士は起訴を取り消すよう求めましたが、検察は応じず、裁判所の判断で打ち切ることができるかどうかが焦点になりました。
おととし、名古屋地方裁判所岡崎支部は「意思疎通の能力がほぼ完全に失われ、回復の見込みがない」として、裁判を打ち切る判決を言い渡しましたが、検察が控訴し、2審の名古屋高等裁判所は「検察が起訴を取り消さないことが不合理と言えるような極限的な場合ではない」として1審の判決を取り消し、裁判の打ち切りを認めませんでした。
これに対して弁護士が上告し、最高裁判所第1小法廷は、検察官と弁護士の意見を聞く弁論を11月28日に開くことを決めました。
弁論は判断を変更する際に必要な手続きで、裁判の打ち切りを認めなかった2審の判決が見直される可能性が出てきました。
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