09月29日 19時10分
全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われた全国学力テストの結果が29日公表されました。
東海3県の小学校では、愛知が全国平均より低い水準となった一方、中学校では、愛知と岐阜が、多くのテストで平均を上回る結果となりました。
全国学力テストは全国の小学6年生と中学3年生を対象に、ことし4月に行われ、愛知・岐阜・三重の3県では、公立学校に通う約20万人が試験を受けました。
テストは国語と算数・数学のそれぞれで、基礎的な知識をみる「問題A」と、知識を活用する力を問う「問題B」に分けて行われ、その結果が29日、公表されました。
小学校をみますと、「国語A・B」では、岐阜と三重が、いずれも全国平均に比べて1ポイント前後の差だったのに対し、愛知は平均を1.5ポイント以上下回りました。
「国語A」が全国最下位だった去年に比べて平均との差は縮まりましたが、低い水準となっています。
3県の教育委員会によりますと、小学校の国語では、特に「国語A」の漢字の読み書きのほか、「国語B」の自分の考えを文章にする問題などが、全国平均より正答率が低かったということです。
また「算数A・B」では、三重の「算数A」を除き、いずれも全国平均を下回りました。
愛知の「算数A」は平均を1.6ポイント下回り、全国で42位となっています。
中学校をみますと、「国語A・B」では岐阜が平均より高い結果となりました。
「国語B」は2.6ポイント上回り、全国で8位となっています。
愛知は平均とほぼ同じ水準。三重は平均を1ポイントから2ポイント程度下回りました。
また、「数学A・B」では愛知と岐阜が平均より高い水準になっています。
愛知の「数学A」は平均より2.7ポイント、「数学B」は2.4ポイント高く、それぞれ全国で6位と7位になりました。
教育委員会によりますと、算数・数学では、全国的な傾向と同じく、図形の問題など応用力を問う「問題B」に課題がみられたということです。
学力テストの結果は県や市町村の教育委員会などで分析され、今後の学習指導に生かされることになっています。
今回の学力テストの結果について教育政策が専門の名古屋大学の中嶋哲彦教授は「子どもみずから問題を解決するため頭を働かせて、解決するのがB問題にあるが全体に点数が低い。今後は、日常生活の中で子どもが自分で問題を考え、子どもどうしでディスカッションをするなどの指導のあり方も工夫していくことが大切だ」と話しています。
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