連続テレビ小説 とと姉ちゃん(155)「花山、常子に礼を言う」 2016.09.30


(花山)常子さん。
どうもありがとう。
(常子)嫌だわ花山さん。
また来ますね。

(美子)えっ?花山さんの原稿まだ入稿してないの?ええ。
まだあるわ。
(綾)いつもに比べて随分のんびりしてるのね。
いつ花山さんが「やはり直したい」って言ってくるか分からないでしょ?そうね。
花山さんならそういう連絡がありそうね。

(水田)はいあなたの暮し出版です。
もしかして…。
フフフ。
(水田)はい。
お待ち下さい。
常子さん。
はい。
花山さんの奥様からです。
お電話代わりました。
常子です。

(三枝子)常子さんお忙しいところすみません。
先ほど花山が息を引き取りました。
分かりました。
すぐに伺います。
失礼します。
水田さん。
こちらの事は僕が。
常子さんと美子さんはすぐに。
お願いします。
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
(茜)どうぞ。
この度はご愁傷さまでございました。
(三枝子)ごめんなさい。
容体が急変してね…。
間に合わなかったわ。
いえ。
お知らせ下さりありがとうございます。
花山の顔見てあげて下さい。
あなた。
常子さんと美子さんがいらして下さいましたよ。
(泣き声)
(三枝子)あの日常子さんが帰られたあと花山は満足そうでした。
これからこの国がどうなっていくのかは分からないけれど「あなたの暮し」は常子さんに任せておけば大丈夫だとも申しておりました。
そんなふうに褒めて下さったのは初めてですね。
花山さん。
(美子の泣き声)
(泣き声)
(みのり)じいじ!絵描けたよ!起きて!じいじ起きて!
(茜)みのりじいじは眠っているからもう少し寝かせてあげよう。
(みのり)うん…。
それ…。
三枝子さんからお預かりした花山さんの最後の原稿よ。
花山さんの字…。
(たまき)うん?これ…。
「美子さん。
初めて出会った頃きつく責める私の言葉に…」。
(花山の声)「必死に涙を堪えていた君の顔は今でも覚えている。
それから私が一時期会社を辞めた時説得しに来た時の顔もね。
君の情熱がなければ『あなたの暮し』はあの時終わっていたかもしれない」。
「鞠子さん。
今でも君が仕事を続けていたらどうなっていただろうと考える。
だが君は結婚で大きな幸せとたまきさんというすばらしい娘さんを得る事ができた。
たまきさんはきっと会社を支えるいい編集者になるだろう」。
「常子さん。
君に感謝を伝えるには原稿用紙が何枚必要だろうね」。
「たくさんの事を君に教えた。
それと共にたくさんの事を君に教えられた。
君がいなければ今の私はいなかった」。
「ありがとう」。
ねえ見て。
うわぁ…。
そっくり。
水田さんこれ…。
アハハ。
花山が亡くなってふたつきがたった頃
よし。
(綾)美子さんもうすぐ始まりますよ。
はい。
(島倉)美子さんは見なくてもいいんですか?あ…毎日会ってますからわざわざテレビで見なくたって…。
いやまたまた…。
美子さんほら早く。
本当は緊張してるんでしょ?そんな事ない。
開始10分前で〜す!
(一同)はい。
「あなたの暮し」は長年の功績が認められ雑誌の最高栄誉といわれる日本出版文化賞を受賞しました
花山さん花山さん。
どうしたもんじゃろのぉ…。
小橋さん。
はい。
(沢)よろしくお願いします。
そろそろこちらに。
よろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
(鞠子)よいしょよいしょよいしょ。
え〜っと始まりますからね。
一番いい所で見ましょうかね。
よいしょ。
あ〜疲れた。
よいしょ。
あ〜もうこっちまで緊張してきちゃった。
あ〜始まった!
(一同)お〜!静かに。
静かに!聞こえないだろ。
「皆様こんにちは。
『時代のスケッチ』の時間です。
司会の沢静子でございます。
さて今日は皆様よくご存じの雑誌『あなたの暮し』を通して…」。
戦後の日本の人々の生活を豊かにした事が評価されまして日本出版文化賞を受賞なさいましたあなたの暮し出版社長でいらっしゃる小橋常子さんにおいで頂いております。
いろいろお話を伺っていきたいと存じます。
どうぞよろしくお願い致します。
あ…はい。
よろしくお願い致します。
(康恵)表情が硬いね。
(綾)常子さんしっかり!とと姉緊張し過ぎ…。
ねえ…ととかか。
ひとえに私たちを支えて下さり応援して下さった読者の方々のおかげだと思っております。
私たちの編集長の花山も草葉の陰で喜んでいると思います。
(沢)「あなたの暮し」は第1号から2世紀第35号まで出版されている訳ですけれどもこの誌面作りに一貫した方針が感じられるんですがそこら辺はどのようにお考えなのかお聞かせ頂けますか?はい。
花山も私たちもとにかく庶民の生活暮らしを何よりも大切に考えてまいりました。
戦争で奪われた豊かな暮らしを取り戻しその暮らしの役に立つ生活の知恵を提案していければと。
そしてそれが暮らしの中心にいる女の人たちの役に立つ雑誌になっていければと。
今も昔もただただその事だけを念頭に置いてやってきております。
(沢)「あなたの暮し」にとってやはり戦争の影響というのは大きくあるのですね。
そうですね。
戦後生まれの方々はご存じないかもしれませんが当時はおうちのフライパンなんかも供出しましたからね。
(沢)そうでしたね。
本当にそうでしたね。
生字幕放送でお伝えします2016/09/30(金) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(155)「花山、常子に礼を言う」[解][字][デ]

花山のあとがきを口述筆記したのち、別れた常子のもとに連絡が入る。連絡は妻三枝子からのものだった…花山がついに息絶えた、というものだった。常子は花山家に向かう。

詳細情報
番組内容
花山のあとがきを口述筆記したのち、別れた常子のもとに連絡が入る。連絡は妻三枝子からのものだった。花山がついに自宅で息絶えた、というものだった。常子と美子は花山の死に顔にあう。その死に顔は安らかなものだった。自宅に戻った常子たちは、三枝子から預かった最後の原稿を読む。そこにさしこまれた一通のメモ書き…それは花山から三姉妹への最後の手紙であった…。
出演者
【出演】高畑充希,相楽樹,杉咲花,伊藤淳史,奥貫薫,唐沢寿明,吉本実憂,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:25738(0x648A)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: