とと姉ちゃん 一週間(最終回) 最終週「花山、常子に礼を言う」 2016.10.02


・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」
(寿美子)会社を辞めさせて頂きたいんです。
やはり家庭との両立が難しくて…。
(常子)社内の仕組みを変えたいと思っています。
今後ますます核家族が増え寿美子さんのような方は増えると思うんです。
(花山)随分な意気込みようだな。
はい。
寿美子の申し出を受け考えた末に常子は…
「あなたの暮し」の読者はどのような方ですか?
(島倉)我々の想定する読者は主に主婦です。
主婦というのはどんな方?
(木立)結婚して家庭に入ってる人。
(康恵)働いてる女は主婦じゃないって事かい?
(木立)あっそう言われるとあの…。
つまり主婦の在り方も随分多様化してきている訳です。
この会社自体も女性が働きやすい場所に変わっていかなければならないと思います。
そこで希望する方はご自宅でも働けるようにしたいと思います。
可能な日は出社して頂きますが例えば急にお子さんの看病をしなければならなくなったような日は家での作業だけで済むようにします。
「あなたの暮し」はそれぞれの暮らしを尊重して働けるような場所を整え遅くとも10月までには開始したいと思っています。
この常子の提案により寿美子は会社に残る事を決心したのです
(寿美子)とても興味深いお話が伺えました。
たまきさん聞き上手で私なんかいらないくらい。
(たまき)とんでもないです。
花山さんに今後の取材方針の相談したいんですけどもお部屋ですか?
(美子)花山さんまだいらしてないの。
(2人)えっ?連絡がないのも心配ねえ。
あの…常子さん花山さんからお電話です。
ありがとう。
常子です。
今日はいらっしゃらないんですか?心配していたところだったんですよ。

(花山)今取材で広島に来てる。
広島?何の取材ですか?それはまとまってから伝えるよ。
ですが今のお体では地方での取材はむちゃです。
心配ない。
4日後に帰る。
では。
あっちょっと…。
花山さん今日戻られるんでしょ?うんそのはずなんだけど…。
(島倉)常子さん。
常子さん!はい。
花山さんが東京駅で倒れたそうです。
やあお二人さん。
お体は?問題ない。
落ち着いてるよ。
(茜)だから止めたのよ。
それなのに無理して広島に向かうから。
戦争中のね人々の暮らしの記録を記事にしたいんだ。
戦争…。
終戦を迎えたあの日以来ずっと考えていた。
もし一人一人が自分の暮らしを大切にしていたらあの戦争は起きなかったのではないかとね。
戦後生まれの人にもきちんと伝えたいんだ。
だが思うようにはいかなかった。
では取材は失敗ですか?また行くさ。
来週にでも。
(茜)いい加減にしてよお父さん!こんなに皆さんが心配して下さってるのにどうして分からないの?私は死ぬ瞬間まで編集者でありたい。
その瞬間まで取材し写真を撮り原稿を書き校正のペンで指を赤く汚している現役の編集者でありたいんだ!常子さん。
君なら分かるだろう!取材に賛成する事はできません。
奥様や茜さんが反対してらっしゃるのに認める訳にはいきません。
(鞠子)それで花山さんは納得したの?多分ね…。
奥様と茜さんのお気持ちを考えるととても許可なんてできないわよね。
回想私は死ぬ瞬間まで編集者でありたい。
校正のペンで指を赤く汚している現役の編集者でありたいんだ!あれからいろいろ考えたんですが戦時中の暮らしについて書いて下さいと読者の方から募集するのはいかがでしょうか?我々の思いに共感して戦時中の暮らしについてありのままに語って下さるはずです。
奥様と茜さんはいかがでしょうか?これだと花山さんのお体に負担をかけず記事を作る事ができると思うんですが。
(三枝子)ご配慮ありがとうございます。
募集文は私に書かせてくれ。
はい。
戦争中の暮らしの体験談を募集してからふたつきがたちました
読者から募集した戦争体験談です。
これが全てか。
(水田)いえ。
箱いっぱいにあと十ほどは。
それにしてもよくこれだけ集まったものだ。
できればここにある全部を雑誌に載せたいくらいだな。
(扇田)アハハ!だったらそうしましょう。
思い切って2世紀第32号をまるまる1冊戦争の記事だけで作るのはいかがですか?「あなたの暮し」まるまる1冊一つのテーマだけで作るなんて今までやった事ないわね。
(島倉)しかし…戦争特集なんて「あなたの暮し」らしくないんじゃないでしょうか?それでもこれは価値のある事だと私は思うよ。
(一同)はい。
その年の8月15日戦争中の暮らしを特集した最新号は発売されました
戦争特集号は人気を呼びついに「あなたの暮し」は100万部を超える発行部数を達成したのです。
一方花山は体調を崩す事が多くなり常子の力を借りて自宅で仕事をするようになっていました
常子さん。
はい。
すまんがもう一つ筆記を頼みたい。
分かりました。
書き出しはそうだな…。
今まで「あなたの暮し」をご愛読下さった皆様へ。
私が死んだらねその時の号のあとがきに載せてほしいんだよ。
何をおっしゃってるんですか。
もうめったな事言わないで下さい。
書いてくれないか?常子さんにしか頼めない事だ。
創刊当初から本当によい暮らしを作るために私たちがこの雑誌で掲げてきたのは庶民の旗です。
そんな旗をあげ続けられたのも皆様のおかげです。
力いっぱい雑誌を作らせて下さりありがとうございました。
もし花山さんがいなくなったら…私どうしたらいいんですか…。
常子さん。
悩んだ時は君の肩に語りかけろ。
君に宿ってやるから。
「おい花山」。
「どうしたもんじゃろのぉ」と。
フフフ。
ハハ…。
フフフ…。
お邪魔致しました。
(三枝子)いえご苦労さまでした。
花山さん。
あなた寝ていませんと…。
うん。
これをね忘れていた。
次号の表紙だ。
すてきな人ですね。
初めて私の絵を見た時も君はそんな顔をしていた。
すてきな家ですね。
常子さん。
どうもありがとう。
嫌だわ花山さん。
また来ますね。

(三枝子)お忙しいところすみません。
先ほど花山が息を引き取りました。
(茜)どうぞ。
(泣き声)
(三枝子)あの日常子さんが帰られたあと花山は満足そうでした。
「あなたの暮し」は常子さんに任せておけば大丈夫だとも申しておりました。
そんなふうに褒めて下さったのは初めてですね。
(みのり)じいじ!絵描けたよ!起きて!じいじ起きて!
(茜)みのりじいじは眠っているから。
(みのり)うん…。
それ…。
三枝子さんからお預かりした花山さんの最後の原稿よ。
花山さんの字…。
(たまき)うん?これ…。
(花山の声)「常子さん。
君に感謝を伝えるには原稿用紙が何枚必要だろうね。
たくさんの事を君に教えた。
たくさんの事を君に教えられた。
君がいなければ今の私はいなかった」。
「ありがとう」。
ねえ見て。
うわぁ…。
そっくり。
花山が亡くなってふたつきがたち「あなたの暮し」は雑誌の最高栄誉といわれる日本出版文化賞を受賞
開始10分前で〜す!
(一同)はい。
常子はテレビに出演する事になりました
花山さん花山さん。
どうしたもんじゃろのぉ…。
(沢)小橋常子さんにおいで頂いております。
草葉の陰で喜んでいると思います。
そうそう水田さん昨日言っていた…。
とと?
(竹蔵)どうかしましたか?ととはあのころのままですね。
常子は大きくなりましたね。
今ではととよりも年上です。
とてもご自分の娘とは思えないでしょう。
いくつになっても常子は僕の娘です。
もともとは鞠子と美子とそれから編集長の花山さんと4人だけで始めた会社だったんです。
よくぞここまで…。
いろんな方と出会って助けて頂きました。
皆さん一人一人のお力添えがあったからこうして…。
相当な苦労があったでしょう。
僕が常子に父親代わりを託したために随分と苦労させてしまったね。
とと。
私ととの代わりだから「とと姉ちゃん」って呼ばれてるんです。
皆さんのととになります。
じゃあとと姉ちゃんだ!女の人の役に立つ雑誌を作りたいって夢が持てたのも私が「とと姉ちゃん」だからです。
鞠ちゃんもよっちゃんも結婚してもう毎日が楽しくて…。
みんなと過ごすささやかな日常が私の生きる糧です。
私は「とと姉ちゃん」でいられて幸せです。
(竹蔵)頑張ったね。
ありがとう。
フフフフ。
フフッ。

(一同の笑い声)
(潤)おじさんこれは?
(南)おっ。

時は流れ昭和63年
常子さん!はいはい。
すみませ〜ん!桜井先生の原稿なんですが僕がテーマを間違えてお伝えしまっていたようで…。
だったら一からやり直しじゃない!どうしたもんじゃろのぉ…。
取り急ぎ先生におわびの電話を致します。
あ〜あ〜!電話じゃ駄目よ!お目にかかってお伝えしないと。
先生には私がおわびに行ってきます。
行ってきます。
常子さん。
とと姉ちゃん!あきれた。
あれじゃ花山さんとやってた時と一緒じゃない。
花山さんも苦笑いしてるわね。
・「君を讃えるには足りないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」
「連続テレビ小説とと姉ちゃん」おしまい
2016/10/02(日) 11:00〜11:20
NHK総合1・神戸
とと姉ちゃん 一週間[終] 最終週「花山、常子に礼を言う」[字]

花山(唐沢寿明)には戦時中の暮らしを記録して記事にという強い思いがあり常子(高畑充希)は読者から募集することを提案する。ある夜常子の目の前に竹蔵(西島秀俊)が…

詳細情報
番組内容
常子(高畑充希)は家庭を持つ女性社員が働きやすいように、自宅でも仕事ができる社内制度を整える。一方花山(唐沢寿明)には、戦時中の暮らしの記録を記事にしたいという強い思いが。花山の体調を心配した常子は、読者から体験を募集することを提案する。予想以上の応募があり、一冊まるごと使っての特集となる。ある日花山は常子を自宅に呼んであとがきを口述筆記させる…そして常子の目の前に亡き父・竹蔵(西島秀俊)の姿が。
出演者
【出演】高畑充希,相楽樹,杉咲花,西島秀俊,唐沢寿明,伊藤淳史,吉本実憂
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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