小池都知事と組織委員会の森会長。
東京オリンピック・パラリンピックの準備の進め方を話し合う会議に出席した2人。
先月行われた初めての会談では、こんなやり取りを。
都の調査チームは、きょうの報告で、開催費用を独自に推計した結果、3兆円を超えるとしたうえで、都内に整備する予定の3つの競技会場を、都外の施設へ変更するなど、計画の大幅な見直しを提案しました。
この提案について森会長は、知事の判断を待つとしたうえで。
小池知事はきょう、NHKの単独インタビューで。
この問題、これからどうなるのか。
こんばんは。
ニュースウオッチ9です。
東京オリンピック・パラリンピックの競技会場の見直しの提案。
大きな波紋が広がっています。
今夜は、その作戦に深く関わった、キーマンに後ほど伺います。
提案が示されたのは、きょうの朝でした。
東京オリンピック・パラリンピックの開催には、いくらかかるのか。
都の調査チームが公表した調査結果は。
都が当初、立候補ファイルで示していたのは、7340億円。
これに対して、調査チームの独自の推計では、施設の整備費と警備などの運営費を含めると3兆円を超え、このままでは都民に大きな負担を強いることになると分析しています。
コスト削減のため、計画の大幅な見直しを提案したのが、この3つの競技会場です。
水泳会場は、施設の規模を見直し、場合によっては、代わりの施設を利用する可能性を検討すべきだと提案。
バレーボール会場は、大会後の活用方法の見通しが甘いとして、事業全体の見直しを検討するほか、すでにある施設の活用を検討すべきとしています。
そしてボートなどの会場になる海の森水上競技場については、整備費用が、当初の7倍に膨らんでいることなどを重視。
宮城県登米市にあるボート場などへの変更を提案しています。
この提案に競技団体からは。
調査チームはきょうの提案について、今後1か月をメドに、選択肢を絞り込む必要があるとしています。
そして今回、問題点として指摘したのが運営体制です。
大会の準備は現在、大会組織委員会や都など、関係団体のトップが集まる調整会議で協議して進めています。
この体制について調査チームは、全体を取りしきる司令塔がはっきりせず、連携が不十分だとしています。
さらに、それぞれの組織が別々に立てた予算を持ち寄る今のやり方では、際限なく費用が増えてしまうと指摘。
こうした問題点をクリアするために、調査チームは開催計画や予算などを、都や国が一元的に管理する仕組みが必要だとしています。
提案を受けて、見直しの可否を判断することになる小池知事は。
今回は、その見直しのキーマンでもある、都政改革本部特別顧問の上山信一慶応大学教授にお越しいただきました。
上山さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
上山さん、上山さんのお立場なんですけれども、小池都知事の下、五輪の予算とか、いろいろな検証に当たるチーム、それのリーダーをされていて、それで今回、提言をされてるわけですけれども。
実際、五輪の調査を始めて、1か月ぐらいですね、期間としてはですね。
ちょうど4週間です。
調査に取りかかったとき、いかがでした?
全体像を把握してる人が誰もいないというのに。
全体像を把握している人がいなかった?
そうですね。
驚きました。
それから資料も都庁の中の資料は非常にきっちり出来ているんですが、組織委員会が何をやっているのかということについては、都庁ではよく分からないと、それから組織委員会にお話を聞きに行きますと、また組織委員会の分だけの資料が出てくるんですね。
全国各地に、いろんな施設を作るわけですけれども、全体像の一覧表を出してくださいと言うと、なんと存在しなかったと。
2週間たって、われわれがいろんな情報を集めて、やっと作ったと、そういう状況なんですね。
全体像を把握している人が?
一覧表がない。
一覧表がないと?
個別にはあるんですけれども、それを全部足すと、なるほど、こうなんだと、そういうことですね。
それからオリンピックを通じて、日本をどう変えていくのかという、いわゆるレガシーですね。
これも、立派な資料が、都庁は作ってるんですね。
ですが、組織委員会も同じような資料を作っていて、一部重なってるけど、ちょっと違うと。
みんな目指すところが少しずれていると?
そうですね。
全体として、どうなっているのかというのは、あれでは非常に分かりにくい状態だというふうに思いました。
なるほどね。
それで今回、3つの施設について、見直しを提言して、これが3つの見直し案なんですけれども、いずれも、整備費用がこれ、大幅に膨らんで、当初から膨らんで、それで結果的に今回の提言では、他県への移設とか、あるいは規模を縮小してはどうかといういくつかの選択肢を提案されているわけですけれども、特に今回、海の森水上競技場について、これ、私たちもきのう取材をして、放送してるんですけど、例えばこれ、風と波の影響を防ぐために、堤防なんかを造るとか、それで整備費が膨らんで、しかも選手からも、公正な競技ができないんじゃないかという不安の声なんかもあったわけなんですけれども。
今回、この競技場について、都の職員なんかにヒアリングをされたと思うんですけれども、なんでこんなことになったのかという点は。
そうですね。
私も最初、かなりおかしいなと思ったんですけれども、話を聞くと、なるほどと、普通の公務員の方が、真面目に仕事をすると、こういうことになってしまうっていうのが非常によく分かったんですね。
どういうことですか?
というのは、招致ファイルに、これに限らないんですけれども、ここにこういうものを造るというふうな、立派なイメージ図と共に、全部書き込んであるんですね。
当時の招致ファイルの最大の日本の売りは、コンパクト、選手村から8キロ以内にほとんどの施設がありますということで、それをターゲットにしてたんで、そうなるとどうしても立地が限られてしまうと。
東京都内でボートできるような場所っていうのは、ここしか実はないんですね。
ですから、あのファイルに非常に忠実に考えると、もうやっとここがあったということで、皆さん、非常に安心して、しかし、海だし、普通、ボートって川のスポーツなんですけどね、海でやるから、せき止めて、あと水位の調整がどうしたこうしたとかですね、技術の粋を集めて頑張って、いろいろやっているうちに、1000億円超えちゃったと。
舛添さんのころに、さすがにこれはないよねということで、予算を大幅にカットされたんですけれども、それでもやはり、税金を使って、今後、オリンピックの期間中だけじゃなくて、そのあともずっと残って、維持費がものすごくかかるわけですね。
その計算が実は全然できてないんです。
維持費がどれだけかかるか、どんな要素があるか、それも分からないと。
とにかく、オリンピックの大会に間に合わせるために、現場はもう必死になって、建設会社の人も含めて頑張っていたと、こういうことなんですね。
つまり司令塔のほうの問題であって、作業している人たちには何も問題はないわけです。
一生懸命やったんだけれどもということですね。
そうなんですね。
当初の目的に、枠組みに縛られすぎてしまったというところもあったのかなと。
だから、招致を勝ち取った瞬間ですね、現実的なプランは何なんだというのを、冷静に、政府が中心になって、見直すべきだったと思うんですね。
1回、見直しはしてるんですね。
舛添さんのころに。
これはIOCが各地で、お金がかかり過ぎるんで、事態が相次いだもんで、お金のかからないオリンピックをやろうというので、IOCがむしろ方針を出して、舛添知事も頑張って、額を半額にされたんですけれども、金額を半額にしたんだけれども、そもそもの理念の見直しとか、東京の外の配置のこととかは、やはり都の仕事ですから、見直しはされなかったと。
もう一つ、私が思ったのは、復興五輪というふうに聞いてたんですが、宮城県でサッカーの予選をやるだけということですね。
やっぱりメダルの授与式を現地でやるっていうのが、本来の復興五輪だと、そういった理念もやはりちょっとずれてきてるんじゃないかなというふうに思いました。
それから、大会後ですね、そのレガシーということば、先ほど使われましたけれども、その施設が使われるかどうなのか、維持費の問題もあると思いますが、その大会後の視点で見ると、どうだったでしょうか。
ここは非常に難しい場所ですね。
ここに限らないんですが、今回、3つの施設いずれも、都が持っている臨海部の唯一の土地をいろいろやりくりして充ててるわけですね。
そうすると駅から歩いて15分だとか、ここに至っては、ほとんど中央防波堤の先ということですね、ものすごく遠い場所に、結局、都民から見ると遠い場所、でも選手村からは、あまり遠くないですよね。
だからそこのバランスをどう取るかですね。
期間中の利便性と、そのあとの、何十年もの利便性と、両立させるようなプランに、やはり修正を最初の時期にするべきだったというふうに思います。
きょう、小池知事は、信頼を失わない範囲で、トライする価値はあるというふうな表現なんですけれども、では実際、今後、見直しを進めていくうえで、どんな点が難しいというふうに考えられてますか?
やはり、まだ4年とはいっても、もう4年しかないわけですね。
12月のIOCの理事会っていうのがひとつの目安になっておりまして、そこの時期までに、IOCとの協議、それからあと、国際競技連盟との競技というのもやったうえで、大きな変更というのがあるということですね。
ですから、今後、お金のこととか、あと工期の問題とか、いろんなことを合わせて見ていかないと、全くなんとも言えないんですけれども、やはり、東京都の中の公共事業とは違いまして、外の人たちとのいろんな折衝ごとというのが、入ってきますので、その結果を見ながらということですね。
ですから、そういう意味では、今の場所で規模を縮小してとか、あるいは仮設にするとかですね、そういったような手段も、常に残しながら考えていくということだと思います。
それと今回の報告書で、ちょっと関心があるところで、大会費用が7000億円から3兆円を超えるというふうな推計も出されましたが、そのときの背景として、組織的な部分のことを指摘をされていて、今回の報告書では、こういう重要事項について、調整をする調整会議、これはあるんだけれども、リーダーが不明だという表現もありましたし、さらに全体の予算を管理する者がいないということも指摘されてるんですけれども、これ、どういうことなんでしょうか。
なんでこういうことが起きたっていうふうに見てらっしゃいますか?
そうですね、調整会議はまず、議長がいないんですよね。
議長がいないと、まさに調整事ですから、決まらないわけですね。
ですから皆さん、ご意見をおっしゃると、立場がありますからおっしゃるけれども、それじゃあ、こうしようということを決められないんですよね。
全員の意見がたまたま一致したときはいいですけど、そうじゃないときは、言いっぱなしになってしまう。
それから皆さん、お忙しいので、役員会だったら、もう定期的に必ず決まった日にやりますね。
ところが調整会議は、目の前に何か課題が出来たときだけ開く。
大臣とか皆さん、極めてお忙しい方ですから、なかなかそのレベルで時々集まるぐらいで、こういう非常に実務的な話ですから、処理しきれないということだと思います。
なるほど。
その改革なんですけれど、今後、実際に行うのは小池知事で、小池知事に進言もされていく立場だと思うんですが、どのように進言していくのか。
そして、具体的にその改革を今後、どういうスケジュールで進めていくのかですね、最後にお願いいたします。
やっぱりお金と期限ということだと思うんですね。
今回、作業してやっと3兆円超えてしまいそうだというのがやっと分かったわけですけれども、やはり管理するためには、これだけの額でやりましょうということを、全体について、それから各部分について、上限というものを決めないと、際限なくお金がどんどん出て行ってしまうと。
ですから、上限をきっちり決める、決められる体制、そういう意味では、財務部長といいますか、そのような存在が今いないんですけれども、それをまず決めると、それが一番重要なことだと思いますね。
あとは、準備局が、今までやってきたいろんな蓄積がありますから、そこの話も十分に聞きながら、われわれ、今までは調査という立場で、あえて第三者的に、一緒に作業はしたんですけれども、外の人間が客観的に見ますよということで、やってきたんですが、今後はもう、目の前に選択肢がいろいろ見えてるわけですし、なるほどということで、かなり納得もいただいているところがありますので、一緒になって問題を解決していくという体制にしたいと思います。
ですから、今回、調査レポートを出しましたけれども、たぶん、たぶんと言いますか、これを最後に、調査レポートいうタイトルは最後にしたいなというふうに思っています。
都政改革本部特別顧問の上山教授に伺いました。
どうもありがとうございました。
ここまで東京大会のおりんぴっく・パラリンピック競技会場の見直しの提案についてお伝えしました。
それでもう一つの都政の課題。
豊洲市場を巡って、新たな事実です。
東京都は、豊洲市場の敷地で行っている地下水のモニタリング調査で、環境基準を上回る有害物質のベンゼンとヒ素が検出されたと発表しました。
環境基準を上回る有害物質が検出されたのは、青果棟のある敷地の3か所から採取した地下水です。
2か所で、ベンゼンが環境基準の1.1倍と1.4倍、残る1か所で、ヒ素が1.9倍となっています。
地下水というのは、問題となっている建物地下の空洞にたまっている水ではなく、さらに下を流れる地下水脈の水です。
過去7回の調査では、いずれも基準値を下回っていましたが、今回、初めて基準値を超えました。
土壌汚染などの環境問題に詳しい専門家は、地下水の水位が上昇し、有害物質を含んだ水が上がってきているおそれがあり、このままでは、有害物質を除去した土壌も汚染されるおそれがあるとコメントしています。
一方、東京都が設置した市場問題プロジェクトチームの初会合が開かれました。
チームは、環境省出身の都の顧問を座長に、建築家や企業経営に詳しい有識者など8人で構成され、土壌汚染対策と豊洲市場の建物の構造、それに市場の採算性の3つの主要なテーマを議論します。
きょうの会合で有識者からは、検討課題について意見が相次ぎました。
新たな課題も明らかに。
プロジェクトチームによりますと、水産仲卸売場棟の一部で、床のコンクリートの厚さが、構造計算書では10ミリとなっているにもかかわらず、実際には150ミリだったということです。
コンクリートが多く使われ、より重くなっていることで、耐震性などに問題がないか、確認する方針です。
会合では、建物の地下にある空洞を巡って、意見が割れる場面も。
この発言に対し、座長は。
来月末の2回目の会合では、設計を担当した大手設計会社を呼んで、建物の構造について集中的に議論する予定で、小池知事は、議論の結果を踏まえて、移転について判断する方針です。
今度は基準値を超える有害物質や、コンクリートを多く使っていた問題が出てきたわけで、不安がますます募りますね。
そうですね。
なんで盛り土がなされてなかったのかについては、あす、小池知事が都の内部調査の結果を公表する見通しになっています。
また都議会では、来週、豊洲市場の問題で、審議が行われることになっていますので、とにかくこうした場で、多くの疑問の解明が進むということを望みたいところです。
続いては、全国学力テストの話題です。
小学6年生と中学3年生を対象に、毎年、国語や算数・数学などの学力をはかるテストです。
きょう、結果が公表されました。
テストが始まった10年前に比べて、正答率の高い県と低い県の格差が縮まり、学力の底上げが進む一方で、学校のテスト対策が過熱し、現場からは懸念の声が上がっています。
全国学力テスト。
子どもの学力や学習状況を把握し、指導の充実などに役立てるのが目的です。
価格の高い電気自動車と、価格の低いガソリン車を購入し、10年間使用したときの費用を尋ねたり。
専門的な内容を含んだ雑誌記事を適切に要約できるかを問うたりするなど、実生活に活用できる知識や技能を習得し、課題の解決に役立てられるかをテストします。
きょう発表された、今年度の正答率の上位5位までの都道府県です。
小学校では、毎年、上位に入っている北陸勢や秋田に加えて、広島や沖縄などが上位に位置しています。
中学校でも、秋田や北陸勢のほか、静岡などが上位に入っています。
正答率の高い県と低い県の差を比べてみると、10年前、小学校の算数Aは、12.4ポイントの差がありましたが、ことしは7.4ポイントに縮まりました。
文部科学省は、テストを通して学力の底上げが進んでいるとしています。
授業を改善し、学力テストの結果を向上させている学校があります。
この中学校が取り入れたのが、グループワーク。
問題を解き終わった生徒が、まだ終わっていない生徒に教えます。
以前は、授業についていけず寝てしまう生徒もいましたが、全員が参加するために、集中するようになったといいます。
こうした取り組みを4年間、続けたところ、この学校では、ことし初めて、全国学力テストの数学の結果が、全国平均を上回りました。
学力の底上げが進む一方、テスト対策は過熱しています。
これは北海道教育委員会が、子どもたちに配布した文書です。
北海道の子どもは、全国最低レベル。
悔しくないだろうか。
今こそ見せよう!道産子のプライド!各地の教育委員会が、学校や子どもにテストでよい成績を取るよう強く促す事態となっています。
ことしのテスト実施日。
当時の文部科学大臣は。
学校の現場にどんな影響が出ているのか。
西日本のある小学校の現役の教員が取材に応じました。
教員が見せてくれたのは、4月の授業の記録。
色をつけた所が、テスト対策を行った授業です。
テストの2週間前からは、模擬問題や過去問題に毎日取り組ませました。
時間を確保するために、家庭科や図工の時間を削ったといいます。
過熱するテスト対策。
専門家は。
なるほどね。
うまく指導して、子どもたちが頑張ろうって思うようになるっていうのは、大事なことかなというふうに思うんですけど、でも、このテストのそもそもの理念とは、ずれてしまっている部分があるんですね。
そうですよね。
そもそもやっぱり、子どもの学力の弱いところというか、課題を知るためのテストなんですけれどもね。
ですから、普通の授業をやらないで過去問ばっかりやるってなると、どうかなと思いますよね。
ですから、学校とか教育委員会のためでなくて、あくまで、子どものためのテストだということを、忘れてほしくないなと思います。
国会はきょうが代表質問最終日です。
地球温暖化対策や、エネルギー政策などをテーマに論戦が行われました。
公明党は、地球温暖化対策を進める、国際的な枠組みのパリ協定について。
共産党は、核燃料サイクル政策について。
日本維新の会は、天皇陛下が生前退位の意向がにじむお気持ちを表明されたことを受けて。
民進党は憲法改正に関連して。
自民党は、待機児童対策について。
ところで、今の国会で、TPP・環太平洋パートナーシップ協定の承認を目指す安倍総理大臣のおひざ元、自民党内からある発言が。
TPPの審議を行う衆議院の特別委員会で理事を務める福井照議員。
政府・与党が、特別委員会の委員長人事で、西川元農林水産大臣を交代させたことに関連して、派閥の会合で、こう発言したのです。
会合のあと。
福井氏は、審議が混乱するのを避けたいとして、竹下国会対策委員長に理事を辞任する意向を伝え、了承されました。
国会はあすから衆議院予算委員会に舞台を移し、論戦が行われます。
続いてトゥデーズウオッチです。
横浜市の大口病院で、入院中の男性2人が相次いで中毒死した事件。
横浜市の林市長は、市の対応に反省すべき点があるとして、検証する考えを示しました。
事件が明らかになる前の7月以降、横浜市には病院内で発生したトラブルの情報が、複数寄せられていました。
横浜市議会の大会議室です。
トラブルに関する情報は、市に寄せられていましたが、市は特別な対応を取ってきませんでした。
この件に関して、市の見解をこのあと林市長が説明します。
その上で、情報を受けてから、もっと早い段階で市として対応を取るべきだった。
反省すべき点があると考えていると述べ、市の対応を検証し、再発防止策を検討するため、専門家などによる検討委員会を設置する考えを示しました。
解散・総選挙に向けた発言が相次いでいます。
きょう開かれた、自民党の各派閥の会合。
麻生副総理兼財務大臣は。
一方、民進党の蓮舫代表も。
天皇皇后両陛下が、岩手県の復興状況を視察されました。
まず訪問されたのは、大槌町の魚市場。
津波で全壊したこの魚市場。
震災から8か月後に取り引きを再開しましたが、漁業者の減少などで、昨年度の水揚げ量は、震災前の4分の1から3分の1程度にとどまっています。
両陛下は、ずいぶん災害では大変だったでしょう。
成果はどうですか?などとことばをかけられていました。
その後、両陛下は山田町の図書館へ。
ことし7月に再建されたこの図書館。
地元の中学生や高校生が、図書館の企画やデザインに参加しました。
両陛下は、いいのが出来ましたねなどと、話しかけられていました。
身元の特定が難しくなっている、沖縄戦で亡くなった人の遺骨。
厚生労働省は、来年3月までに遺族のDNAの型と照合して、特定を進める方針を決めました。
先の大戦で最も激しい地上戦だったといわれる沖縄戦。
これまでに18万人余りの遺骨が収集されましたが、まだ多くの身元が分かっていません。
このため、厚生労働省は、同意を得られた399人の遺族のDNAの型と照合し、身元の特定を進める方針を決めました。
鑑定に期待を寄せている遺族、岡精一さんです。
父親の孝太郎さんは、昭和20年に沖縄で戦死。
これまでに5回、沖縄を訪れて遺骨を捜しましたが、手がかりはつかめませんでした。
今回の取り組みを知った岡さん。
鑑定に必要な口の粘膜を早速、採取し返送しました。
さて、坊っちゃん、こころ、吾輩は猫である。
ご存じ、文豪、夏目漱石の作品の数々です。
亡くなってからことしで100年。
ドラマや映画になるなど、今、漱石ブームが起きています。
漱石に大きな影響を与えたといわれているのが、作家になる前に経験したロンドンへの留学です。
ロンドンで何があったのでしょうか。
ロンドン郊外。
かつて漱石が暮らしていた街です。
実はここに、漱石にまつわる資料を展示した、ロンドン漱石記念館があります。
32年間、漱石の足跡を伝えてきましたが、訪れる人は年々減少。
赤字がかさみ、日本時間のきょう、惜しまれつつ歴史に幕を下ろしました。
記念館が開館したのは、1984年。
政治家や文化人もお祝いに駆けつけました。
ロンドン留学中の皇太子さまも見学されました。
隣にいるのが、記念館を開いた恒松郁生さんです。
今、恒松さんは64歳。
漱石文学の研究者で、大学教授を務めるかたわら、私費を投じて記念館を運営してきました。
留学中の漱石は、シェークスピアから雑誌まで、ありとあらゆる本を読んでいました。
漱石が読んだ作品の数々。
恒松さんは、漱石が留学していた当時の貴重な書籍を集め、ロンドンでの日々が追体験できる記念館を目指してきました。
1900年、熊本で英語教師をしていた漱石は、国費留学生としてイギリスに渡りました。
当時33歳。
英語教育を学ぶのが目的でした。
しかし、近代化が進み、ことばや文化が違うロンドンで、漱石は強い疎外感を感じ、下宿の部屋に引きこもるようになりました。
ロンドンに住み暮らしたる2年は、最も不愉快の2年なり。
不安定な精神状態は、帰国後も続きました。
気晴らしに始めたのが、小説の執筆です。
そして生まれたのが吾輩は猫である。
作家としてのデビュー作です。
その後、次々と作品を発表。
遅咲きの文豪でした。
なぜ一教師だった漱石は、作家になれたのか。
後にこう語っています。
神経衰弱にして狂人なるがため、猫を草しと思えば、余はこの神経衰弱と狂気とに対して、深く感謝の意を表する。
ロンドン留学時代に始まった心の病があったからこそ、吾輩は猫であるを書けたと感じていたのです。
漱石が感じた疎外感。
恒松さんも若いころ、ロンドンに留学して、同じような気持ちを抱いたといいます。
その苦しみをばねに文豪となった漱石の歩みを、記念館の閉館後も追い続けるつもりです。
ロンドンでは引きこもって、本ばっかり読んでたっていうことですけれども、その疎外感が、後に作家としてのばねになったというのは、おもしろいですよね。
そうですよね。
吾輩は猫であるは、どこかちょっと皮肉っぽい視点で人間を見ている感じもありますよね。
ロンドンでの体験が背景にあるのかなと思って読んでみると、また違った発見がありそうです。
気象情報、斉田さんです。
こんばんは。
福岡県では突風による被害が出ました。
こちらは、福岡県筑後市の映像です。
昨夜、竜巻などの突風が発生したと見られています。
プレハブの建物がおよそ70メートル飛ばされ、住宅の2階部分に突っ込んでいます。
福岡県の八女市と筑後市では、1人がけがをしたほか、住宅など66棟が被害を受けました。
西日本では、あすも大気の状態が不安定となるため、落雷や突風のおそれがあります。
雲の様子を見ると、九州の西の海上で雨雲が発達しています。
これは台風17号を由来とする、湿った空気が流れ込んでいるためで、あすは再び西日本で大気の状態が不安定となりそうです。
では雨の予想を見ていきましょう。
今夜10時からです。
このあと、あすの朝にかけては、九州や中国、四国地方、局地的に雨が降りそうです。
このあとは雨の範囲が広がり、昼過ぎには対馬地方に活発な雨雲がかかりそうです。
さらにこのあと見ていくと、夕方以降は西日本各地で激しい雨や雷雨となりそうです。
では、台風18号の情報です。
このあと3日月曜日には、沖縄や奄美付近、そして、4日火曜日には、西日本付近へと近づくおそれがあります。
今後の情報にご注意ください。
動かして見ていきましょう。
秋雨前線は、西日本で活動が活発になるでしょう。
北日本と東日本は高気圧に覆われて晴れる見込みです。
空気も乾いて、秋らしい陽気となるでしょう。
いつもどおりですよ。
18番背負って、ずっとやってきましたので、きょうもそれを背負って、マウンドで投げたいなと。
スポーツ、佐々木さんです。
こんばんは。
ゴルフの日本女子オープンが開幕。
女子ゴルフ日本一を懸けた、4日間の戦いが始まりました。
49回目を迎えた日本女子オープン。
国内外のトッププロや、アマチュア120人が参加しました。
賞金ランキング2位の笠りつ子。
国内メジャー初優勝を狙います。
10番からスタートし、12番。
長いパットを決めてバーディーを奪います。
最終の9番パー4。
第3打はバンカーから。
うーん、これはうまい。
パーでまとめ2アンダー。
首位と1打差の2位につけました。
初日、トップに立ったのは、20歳の森田遥。
3アンダーと好発進。
国内ツアー初優勝を目指します。
続いてはサッカー。
来月のワールドカップアジア最終予選2試合に臨む日本代表メンバーが発表されました。
まずはフォワードです。
前回と同じメンバー7人が選ばれました。
レスターの岡崎選手や、ミランの本田選手など、ヨーロッパでプレーする選手たちの中、Jリーグからは、唯一、川崎フロンターレの小林選手が選ばれています。
続いてミッドフィールダーの7人。
常連のメンバーが顔をそろえていますが、鹿島アントラーズの永木選手は、初めて代表に選ばれました。
28歳の永木選手は、豊富な運動量が持ち味。
ボールを奪う能力の高さが評価されました。
ディフェンダーに選ばれたのは9人。
けがで離脱していた長友選手と槙野選手が帰ってきました。
槙野選手はクラブのホームページで、けがで離脱した悔しさをぶつけたいと思っていますとコメントしています。
ゴールキーパーは3人。
フランス1部リーグ・メッスの川島選手は、6月以来の代表復帰です。
川島選手は33歳。
今回のメンバーでは、最年長です。
ハリルホジッチ監督は、ベテランにしかできない役割に期待しています。
日本はここまで1勝1敗でグループ3位。
来月6日に5位のイラクと、11日には首位のオーストラリアと対戦します。
テニスの錦織圭選手。
来週東京で行われるジャパンオープンに向けて、練習を公開し、意気込みを語りました。
錦織、ジャパンオープンで2年ぶりの優勝を目指します。
ハードな練習を重ねて、疲れがたまっていると錦織。
それでも力強いフォアハンドや、ボールに食らいつく動きのよさを見せていました。
全米オープン準決勝で対戦したスイスのバブリンカは、きょうになって欠場が決まり、錦織は第1シードとなりましたが、油断はありません。
続いてはプロ野球。
今シーズン、19年ぶりのリーグ最下位に沈んだ中日の新監督に、森繁和ヘッドコーチが就任することが決まりました。
森新監督は61歳。
中日では、合わせて11年にわたってコーチを務め、4回のリーグ優勝や、1回の日本一に貢献。
ことし8月からは、監督代行として指揮を執っています。
球団側は、森新監督のチームをまとめる力などを評価し、低迷するチームの再建を託しました。
現役最年長のDeNA、三浦大輔投手。
今シーズン限りでの引退を表明している42歳が、現役最後の試合に臨みました。
選手全員が、三浦の背番号18をつけて試合に臨んだDeNA。
三浦は感謝の気持ちを胸に、プロ535試合目のマウンドに上がりました。
同点の2回、19歳の廣岡との勝負。
プロ初打席のルーキーに、3ランを打たれ勝ち越されます。
このあと逆転しますが、4回。
満塁のピンチで川端。
2人がかえるタイムリー2ベース。
リードを守れません。
失点を重ねてもスタンドからは。
三浦!三浦!
三浦は投げ続けました。
そして7回、先頭の雄平。
ストレートで三球三振。
ここでマウンドを降りました。
横浜一筋25年のハマの番長は、多くのファンに拍手を送られ、現役生活を終えました。
試合はDeNAが敗れました。
最後の登板を終えた三浦は、期待に応えることができず、申し訳ない。
大きな声援を送っていただき、本当にありがたかったと話していました。
2位が確定した巨人は、本拠地最終戦。
2回、村田。
この状態を維持したいと、ここ5試合で4本目のホームランは2ラン。
2点を先制します。
先発の田口は、ここまで10勝。
チームの勝ち頭です。
クライマックスシリーズにつながる投球がしたいと、5回までヒット1本に抑えます。
ところが、1点差に迫られて7回。
ランナー1塁で広島のエルドレッド。
通算100本目のホームランは2ラン。
田口が粘れなかった巨人。
本拠地最終戦を飾ることはできませんでした。
高橋監督、本拠地のファンの前で、リーグ優勝ができず悔しいが、日本一に向けて、精いっぱい戦いますと誓いました。
オリックスはホーム最終戦。
来シーズンにつながる勝利を目指しました。
1点を追う4回、7番伊藤。
ストレートを捉え、3号ホームラン。
同点に追いつきます。
しかし、エース、金子がふんばれません。
6回、真ん中に入った変化球を打たれ、2点タイムリー。
勝ち越されます。
このあとのリリーフ陣も打ち込まれ、一気に試合を決められました。
ホーム最終戦でふがいない内容のオリックス。
1試合を残して、単独最下位が決まりました。
今夜は池上彰さんと2016/09/29(木) 21:00〜22:00
NHK総合1・神戸
ニュースウオッチ9▽五輪予算で調査報告▽全国学力テスト 点数差縮小の一方で…[二][字]
五輪予算で調査報告 都に提言のキーマンは▽漱石没後100年 再ブームの中でロンドン在住の日本人男性が…▽全国学力テスト都道府県で点数差縮小・学力底上げの一方で…
詳細情報
番組内容
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】斉田季実治
出演者
【キャスター】河野憲治,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】佐々木彩,【気象キャスター】斉田季実治
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 天気
スポーツ – スポーツニュース
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 1/0+1/0モード(デュアルモノ)
日本語
英語
サンプリングレート : 48kHz
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