2016.10.03 Mon posted at 12:26 JST
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(CNN) フィリピン大統領報道官は3日までに、ドゥテルテ大統領が自身の進める強硬な麻薬犯罪撲滅対策をナチス・ドイツの独裁者ヒトラーによるユダヤ人虐殺になぞらえた発言について、「大統領はユダヤ人が経験した悲劇と苦難の歴史の重要性を認識している」と釈明した。
アベラ報道官はドゥテルテ大統領の発言について、「ホロコーストでユダヤ人600万人の命が失われたことを軽視する意図はない」と説明。ヒトラーへの言及は、5月の大統領選を前に対立候補が政治的点数稼ぎのために持ち出したのが最初だったと述べ、ヒトラーのホロコーストはユダヤ人の殲滅が目的だったのに対し、フィリピンの麻薬犯罪容疑者殺害は警察による正当な取り締まりの結果であり、フィリピンの次の世代を救う措置だと強調した。
問題とされたのはドゥテルテ大統領が出身地のダバオ市で9月30日に行った演説。大統領はこの中で、「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺した。(フィリピンには)300万人の麻薬中毒者がいる」「私は彼らを喜んで虐殺する。少なくともドイツにはヒトラーがいた。フィリピンにも(私が)いる」と言い放った。
これに対してユダヤ人団体が強く反発し、米国のカーター国防長官や国務省のトナー報道官も懸念を表明していた。
しかしドゥテルテ大統領は「米国やEU(欧州連合)が私を何と呼ぼうと構わない。だが私はあんな偽善は支持しない」と述べ、中東からの難民を引き合いに出して「彼らを腐るままにしておきながら、1000人や2000人、3000人の死を心配するのか」と反論した。
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