手乗りファミコンの話題が連日盛り上がっているので、今でもファミコン収集している現役ファミコンプレーヤーの当増田は嬉しくなって何か書かずにいられなくなった。
そこで、所持カセット数は約400個程度のショボいファミコンオタクだけども、個人的に激ハマりしたが陽の目が当たらない面白ソフトをいくつか紹介してみようと思う。(別に無名ゲームしか紹介しないとは言ってないので、大目に見てね。)
実は、これを紹介したくて増田を書いたと言っても過言ではない。元々は洋ゲーの移植だが、洋ゲーらしいストイックかつシンプルすぎる、悪く言えば地味なゲーム性により、派手なゲームばかり求める日本ではそれほどヒットしなかった。
あまり知られていないタイトルなので大抵の人は舐めてかかってスルーしてしまいがちだが、いざプレイしてみると、なかなかどうしてこれが滅茶苦茶面白い。
簡単に言ってしまうと「陣地を広げる戦争ゲーム」なのだが、ファミコンウォーズみたいなものとは全く毛色が違う。様々なジャンルの要素が組み合わさって飽きさせないのだ。
まず塀に囲われている自分の城の周りに大砲を設置、大砲で敵を狙う攻撃パート(シューティング要素)。次は敵に破壊された塀を囲いなおす修復パート。この二通りを交互に繰り返すのだが、この修復パートが特筆に価する面白さ。
修復する塀はテトリミノがランダムに現れるので、思い通りの形になかなか囲えないのだ。しかも、攻撃パートの時に攻撃対象になる主な敵(以下、主敵)の他に修復パート用の小さいお邪魔虫がウヨウヨ出現する。
修復パートで制限時間内に城を囲いきれないとゲームオーバーになってしまうのだが、お邪魔虫がいる場所にはテトリミノが設置できないのである。お邪魔虫のせいで城を囲いきれずにゲームオーバーを何度繰り返したことか!お邪魔虫が集まる前に城を囲ってしまう必要がある。
お邪魔虫は数ドットしかない非常に小さなものだが、攻撃パートの時に主敵と一緒に撃つこともできるし、修復パートのときに塀で囲ってもやっつけることができる。(主敵も囲えばやっつけることができる。)この修復パートのパズル要素、いや、テトリス要素が凄く面白い。新感覚のテトリスである。これは実際にプレイしないと中々通じない面白さなんだよなぁ。
クリア条件は敵を全てやっつけるか、テトリミノの塀で囲んでいってノルマ分の陣地を広げるかのどちらかだが、ストーリーにより特殊なクリア条件が出現するのがまた堪らない。
練習パートは戦車がはびこる戦場、イージーモードは赤ずきんちゃん(!)、ノーマルモードは中世ヨーロッパのような、モンスターがはびこるRPGっぽい世界観、ハードモードは戦国武将モノと、それぞれモードによりストーリーが変化するのも飽きさせない。ハードはなかなか歯応えがあり、実は当増田も全クリには至っていないのだが、誰でものめり込めるわかりやすいルールに奥の深いゲーム性。
ファミコン経験のあまり無い友人にやらせても、みなドハマりして何時間もプレイしてしまった。
一見ひとりで黙々プレイするような印象だが、2プレイ対戦もしっかり用意されてるのも「実はこれテトリスなのね!」って感じで最高である。とにかく、当増田が激しくオススメしたいゲームだ。
先に結論を言ってしまえば、このゲームはシューティング+テトリスである。
画面下には自機。上からは敵ではなく、テトリミノが降ってくる。自機が発射するのは弾ではなくブロック。
このブロックで上から降ってくるテトリミノを真四角に揃えるとブロックは消える。消せずにブロックが自機のある境界線に達するとミス。落ちゲーにシューティング要素をプラスするといった、これもまた新感覚テトリスである。
レベル9まであるのだが、レベル9までいくと落下速度が速すぎて常人にはクリアできないので、全クリを目指すのなら、ある一定の点数ごとに機数が増えていくのでレベル1からとにかく機数を増やすこと。
バラバラに落ちてくるブロックをまとめて消すと高得点なので(落ちゲーでいう連鎖)、落下速度が遅いうちになるべくまとめて消そう。これもドハマり保証。
●激突四駆バトル(アイレム)
当時小学生の間で大ブームだったミニ四駆をイメージしたゲームなのでレースゲームだと勘違いしそうだが、自分の四駆を操作してひたすら敵の四駆に激突し破壊していくゲームだ。全ての敵を破壊するとステージクリア。全8面。
やはりミニ四駆ということでメインターゲットである小学生を意識してか難易度は易しめだが、最終ステージだけは歯応えがある。初見では中々クリアできないだろう。それでも1時間もやればクリアできるか。
とにかく敵に激突して破壊!のストレス解消っぷりが面白く、BGMが良曲揃いなのもグッド。
完全にミニ四駆のゲームであるにも関わらず、タミヤの許可は一切とっていないのでゲームに登場するのはミニ四駆ではなく、あくまでも「四駆」。なのに当時タミヤから発売されていたミニ四駆の商品名そのままで各四駆が登場し、見た目もそのままってあたり、緩い時代だったなぁ~。
ネットでクソゲー扱いされているどころか、「超クソゲー」というお笑いDVDで紹介され出演者のスピードワゴンのお二方にバカにされているタイトルであるが、決してクソゲーではない。面白い良いゲームだよ!(当増田はスピードワゴンも大好きです。)
ファミコン初期タイトル。初期タイトルだけあって、上下二画面しかなくギミックも少ない。あとはマリオが登場する、ちょっとしたボーナスステージがあるのみ。タイトルBGM以外の音楽は一切無い。
たぶん今の子供がやれば5分で飽きるだろう。しかし、個人的にはピンボールゲームで一番面白いのだ。
ファミコンには更に進化し、ギミックや台も増えた「ファミリーピンボール(ナムコ)」、「ローラーボール(HAL研究所)、「スーパー・ピンボール(ココナッツジャパン)」、「ピンボールクエスト(ジャレコ)※ピンボールの玉でRPG風ゲームをするという珍品!」など様々あるが、やっぱりこの任天堂のピンボールが一番ほっとするのはどうしてだろう。ファミコン初期タイトル独特の温かみだろうなぁ。玉の軌道が予想しやすく、誰でも簡単にプレイできる操作性も安心感があるひとつか。当増田が幼少期にのめり込んだっていう思い入れもあるだろうけど、ファミコンのピンボール第一位とさせていただきます。
ファミコン後期には、妙にサンリオキャラのカセットが乱発した。しかし、ファミコンが話題になる際には全く相手にされない不遇のシリーズである。「どうせ幼女向けの教育ゲームで、つまらないだろう」という決め付けによるものだろう。
決め付け、イクナイ!食わず嫌い、イクナイ!
これはキティさん、ポチャッコ、けろっぴ、たあ坊のサンリオキャラのうちどれかを選択し、ポンポンバレーという架空のスポーツで競うというゲーム。(まあただの簡易バレーボールなんだが)。
幼女ゲームだと舐めてかかっても、案外大人でも楽しめるゲームとして成立しているのだ。
その面白さとはただボールを返すだけではなく、ジャンプしながら撃つとスパーン!と激しく返せたり、特筆すべきはゲームを続けていくと勝手に技を習得する独特のシステムだ。
ゲームを続けているうちに、ピンチに陥ると勝手に技を繰り出してくれるのだ。初見でこれが起こると「え!?何今の!?」と驚くこと請け合い。ゲームが下手な人でも逆転の可能性はいくらでもある救済処置だ。
何を隠そう、開発元は「株式会社マリオ」という任天堂が出資した会社だ。実質任天堂が開発したゲームである。
立派な任天堂クオリティのゲームが面白くない訳ないんだよ!!豊富な救済処置で楽しめるところも任天堂らしくて良い。
大人でも大人数でやると白熱する。パーティーゲームとして激しくオススメである。
何より、女子ウケが良い。馴染みあるキャラの可愛いリアクションに、誰でも楽しめるゲーム性で、ゲームに慣れない女子も楽しめること必至。
それにしても女子のリアクションは決まって「キティさん可愛い!ポチャッコ可愛い!けろっぴ可愛い!たあ坊キモい!」である。たあ坊だって可愛いだろ!!たあ坊に謝れ!!
●Law of the West [西部の掟](ポニーキャニオン)
海外パソコンのゲームをファミコンに移植。これまた独特な洋ゲーなので、初見では何がなんだかサッパリわからないだろう。
プレイヤーは町のシェリフとなり、町の平和を守るのが目的の西部劇ゲームだ。
もちろんシェリフはピストルを所持している。シェリフの目前に人が歩いてくるので、とりあえず撃ってみる。すると突然ステージが終了し、スコアはゼロのまま次ステージへ。
「は?なんだこりゃ?」と思うのは当然で、初見さんはここでクソゲー認定して投げ捨ててしまう危険性がある。
だが!ちょっと待ってほしい。このゲームの楽しみは他にあるのだ。
人が画面中央まで歩いてくるのを待つと会話が始まり、4つ表示されるセリフのひとつを選び、キャラクターとの対話を楽しむゲームだ。
これ、ゲームで会話するというシステムを初めて作ったという説がある、ゲーム史的にも重要なゲームなのだ。
その会話の内容が中々面白い。目の前の人が聞いてくるのは「また人殺しをやったのか?」「そこにいるのはハッタリ屋シェリフじゃないの。」シェリフ嫌われすぎだろ!
そしてシェリフの返しは「おやおや。今朝も二日酔いみたいだな」「オンナだてらにまだ牛泥棒やってんのか?」だ。相当な憎まれ口!そりゃあ嫌われて当然だろ!
セリフに登場する汚い言葉の豊富さといったら!「チンピラ野郎」「ムシケラ野郎」「アバズレ」「ネクラ」「浮浪者」「さっさとお前の腐った穴倉へ帰りな。」もうたまらんですね。
しかし、プレーヤーは腐ってもシェリフである。町の平和を守らなければならないのだ。
いくら町の人に罵られようが、怒らずに平和的解決をしなければならない。セリフの選択肢の中には優しい言葉もあるので、大事にならないように会話をすすめ、無事に会話が終了すると得点ゲットとなる。
「さっさとお前の腐った穴倉へ帰りな」なんて言おうものなら、相手も怒り心頭でピストルを向けてくる。ここではじめてシェリフのピストルの出番である。撃たれる前に撃て!
しかし、相手を殺してしまうといくら会話を進めていようが得点はゼロである。本当に、いかに会話を平和的にもっていくかが肝のゲームなのだ。
ただ単にシェリフに会話しにきた町の子供や女性から、シェリフの命を狙った荒くれ者まで多数登場する。そのどれも会話を平和的にすすめなければならない。
良い会話ができると、ボーナス点が更に加算される。ボーナスを探して高得点を目指そう。
しかし、先ほども述べたように汚い言葉の応酬が魅力のひとつでもある。ある程度平和的会話ができたら、ひたすら汚い言葉を選択するのもすごい楽しい。
別に相手を撃ち殺しても即ゲームオーバーにはならないので、得点こそゼロだが、逆に「俺に逆らう奴は女子供だろうが全員殺してやるぜー!ヒャッハー!俺が西部の掟だぜー!」的プレイも可能である。ファミコンなのに自由度が高い!
それまで町の人に優しく接したり、汚い言葉を吐いて強気だったシェリフが、急に自分の命を狙う荒くれ者に対して「オレは死にたくねえよ!」「嫌だ止めてくれ!お願いだ!」「好きにしてくれ。だがオレには何もしないでくれ」「うっ、あっ…おふくろ!」などと、情けない命乞いをしだすセリフがあるのも最高。支離滅裂すぎる!
町の平和を守ってみたり、喧嘩ふっかけてみたり、自由気ままにシェリフライフを謳歌しよう。プレイした後は必ずセリフの真似をしたくなるはず。
テクノスジャパンといえば「くにおくん」シリーズ。くにおくんって、けっこうRPG要素が強くてそれも面白さのひとつだったけど、やっぱりテクノスに本気のRPGを作らせたら面白かった!といえるのが本作。
タイトル通り、すごろくRPGだ。戦士、ドワーフ、エルフ、ハーフエルフの中から一人勇者を選び、すごろくでゴールを目指す。モンスターとエンカウントするコマに止まると戦闘開始だ。
すごろくだけあって戦闘もサイコロ!お互いサイコロを振り合って、より大きい目を出したほうが攻撃できる。
もちろんRPGなので武器や防御のアイテムといったものも存在するし、レベルがあがるごとに戦闘のときのサイコロの出目が有利になったりする。
女の子キャラが可愛いのも注目。マップのゴールにはボスが待ち受けているのだが、どう見ても可愛い女の子がボスになっているパターンもあって、キャラデザインも魅力溢れるものになっている。
テクノスといえば「くにおくん」か「ダブルドラゴン」しか知らないという人こそ、ぜひ。
ファミコンのすごろくゲームって無駄に長くてイベント数も少なくてすぐ飽きちゃうのが多いんだけど、これはすごろく的イベントも豊富でしっかりRPGしてるので普通のすごろく以上にのめり込める!
RPGが苦手な人でもRPGの面白さが理解できる画期的なゲームだ。
ちょっと熱がこもり過ぎてひとつひとつの紹介が長文すぎるので、とりあえずはここまでにしよう。
他にも紹介したいドハマり面白カセットはいっぱいある。まだ書き足りないのだが、読むほうが相当辛くなるのでここまでにしよう。
もしここで紹介されている中で知らないものがあったら、是非プレイしてみてほしい。
バーチャルコンソールで手に入れられないものもあるが、中古市場では安易かつ箱説無しであれば安値で購入できるものばかりだ。
ファミコンって、説明書読まなくてもすぐプレイできるわかりやすさが魅力だ。もしわからなくても、ネットで検索すれば何かしらは必ず役立つ情報が出てくる。
どんなソフトでも検索すれば情報が出てくるハードって、ファミコンくらいなものだろう。スーファミになってくると、マイナーなソフトは解説サイトがひとつも無いなんてザラだ。
また、今回こんなに長々書いたのは最近は「ファミコンはマリオとロックマンとドラクエ以外は全てクソゲー」という風潮がネットに蔓延しているからだ。
マイナーな、聞いたこともないようなタイトルのファミコンカセットは全てクソゲーと断じているサイトが腐るほどある。まるでファミコンはクソゲーしか出していないみたいな言い方だ。
ファミコンがクソゲーだらけだったら、当時社会現象になるほどヒットなんてしなかっただろうし、発売から30年以上経った今、改めて手乗りファミコンなんて商品は出さないだろう。
ファミコンはどのソフトも必ず面白さは隠れているものだ。自分が面白くないと思ったからって、必ずどこかにはそのソフトにドハマりしてのめり込んだ人は沢山いるはずで、人によっては思い入れが強いものだったりする。
ロクにプレイもせずネットを鵜呑みにしてクソゲーだクソゲーだと貶して全否定する奴がいるが、そのソフトで楽しんだ人や思い出を否定する権利がお前のどこにあるのか。
ファミコンと言えば真っ先にクソゲーというクソワードが出る風潮に、一石を投じられればと思った。
ただ、マインドシーカー。テメーはクソだ。