トヨタ自動車が今冬から販売する個人向けロボット「KIROBO mini」。製造を担当するのは、ソニーから独立したPCメーカーのVAIOだ。そこにはあの“先輩ロボット”で得たノウハウが生きているのだという。
KIROBO miniは高さ10センチの小型コミュニケーションロボット。何気ない会話を楽しむことができ、ユーザーの好みなどを学んで成長していく。今冬から東京都と愛知県の一部トヨタ販売店を通じ、3万9800円(税別)で先行販売する。
製造するVAIOが本社を構える長野県安曇野市には、ソニー製品を長年生産してきた工場がある。ここから作り出されたものの1つが、1999年に発売された個人向けロボットの先駆け「AIBO」だ。
「ソニーのAIBOは安曇野工場で生産され、その生産ノウハウや、部品の交換など修理のノウハウも持っている。VAIOと協業できるのはありがたい」(トヨタの片岡史憲MS製品企画部新コンセプト企画室主査)
不振のPC事業をソニーが売却する形で独立を迫られたVAIOだが、今後は「安曇野クオリティ」をうたう国産の高品質を、PCだけではなくロボットなど新規事業にも広げていく戦略を掲げている。既に富士ソフトのコミュニケーションロボット「palmi」など、受託製造で実績も重ねている。
KIROBO miniはユーザーが車などにも気軽に持ち出せる、手のひらサイズの大きさが売りだ。トヨタの片岡主査は「われわれはこの大きさにこだわった。VAIOが持つ高密度設計・実装技術はとても素晴らしく、この小型の本体にいろんな基板が入っている」と話している。
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