西日本旅客鉄道(JR西日本)は29日、広島県三次市と島根県江津市を結ぶ三江線(108.1キロ)の廃止時期を2018年4月1日にすると発表した。同日、沿線自治体などで組織する三江線改良利用促進期成同盟会と合意し、沿線地区へのバスを中心とする代替路線導入に向けてJR西日本が協力することを定めた確認書を交わした。
JR西日本米子支社の松岡俊宏支社長が島根県美郷町で期成同盟会会長の景山良材・島根県美郷町長に廃止時期を伝え、受け入れられた。景山町長は国の支援を視野に入れた「地域公共交通網形成計画」を策定して三江線廃止後も地域交通を維持すると表明した。
JR西日本の松岡支社長は「具体的に計画策定にどう協力するかは、今後協議して決めていく」と述べた。協力の確認書はJR西日本、期成同盟会に島根、広島県を加えた4者で結んだ。
JR西日本はこれまで地元自治体との三江線問題の協議で廃止時期を明示していなかった。交通計画の策定に必要な準備期間を約1年6カ月と見込んで、廃止時期を設定した。
今後は交通網計画の策定の過程で具体的なバスの運行主体や運行路線などを決めていく。JR西日本は30日に中国運輸局(広島市)に三江線の廃止届を提出する。