飯塚直人、照屋健
2016年9月30日05時43分
横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が相次いで中毒死した事件は、神奈川県警の捜査で、院内の事情を知る人物が点滴に消毒液を混入した疑いが強まっている。入院患者が無差別に狙われた可能性も浮上するが、容疑者にはたどりつけず、犯行の動機も見えていない。
「4階で母が点滴を受けている。心配だが、よそに動かせる状態じゃない。ここでみていただくしかない」。29日、大口病院に見舞いに訪れた女性は、険しい表情で語った。23日に事件が明るみに出た後、4階には病室にまで防犯カメラが設置されたという。院内にはこれまで、防犯カメラが1台もなかった。
病院の早急な対応の背景には、院内で広がる疑念がある。注射針を点滴のゴム栓部分に突き刺し、院内で日常的に使われている消毒液「ヂアミトール」を混入したとみられる手口に加え、院内の態勢が手薄になる3連休に混入された疑いがあることなどから、県警は院内の事情をよく知る者による犯行との見方を強めている。病院の高橋洋一院長も27日、「内部の関係者ということも否定できない」と語った。
大口病院では7月以降、最大で…
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朝日新聞社会部