列車事故 米複数メディア「1人死亡 100人以上けが」

列車事故 米複数メディア「1人死亡 100人以上けが」
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アメリカ東部のニューヨークに隣接するニュージャージー州で、日本時間の29日夜、停止するはずの列車が走行したまま駅に突っ込み、アメリカの複数のメディアは、これまでに1人が死亡、100人以上がけがをしていると伝えています。
アメリカ東部ニュージャージー州のホーボーケンで、現地時間の29日午前9時前(日本時間29日午後10時前)、列車が駅に突っ込みました。
乗客が現場で撮影したという映像では、列車の車両が駅舎と見られる建物の中で大きく壊れ、複数の鉄筋のようなものが覆いかぶさっています。
アメリカの複数のメディアは、これまでに1人が死亡、100人以上がけがをしていると伝えています。
一方、一部のメディアは地元の州議会議員の話として、76人がけがをしたと伝えています。
乗客が搬送されている市民病院の担当者は、この病院では10人前後が集中治療室で治療を受けていますが、命に別状はないと話しています。
ニューヨークにある日本総領事館は、今のところ日本人が巻き込まれたという情報はないものの、確認を進めているとしています。

ニュージャージー州のホーボーケンは、ニューヨークのマンハッタンからハドソン川を挟んだ対岸に位置しています。
駅に突っ込んだ列車は、多くの通勤客を乗せてニューヨーク郊外を出発し、現地のメディアは、列車はホーボーケンで停止するはずだったのが、走行したまま駅に突っ込んだと伝えています。
当時の詳しい状況や原因は明らかになっていませんが、ホーボーケン駅では2011年に、列車が十分に減速できないまま駅構内の車止めに衝突して、乗客乗員およそ80人のうち42人がけがをする事故が起きています。

「窓を蹴り破って救出」

事故を目撃した男性はCNNテレビなどに対して、「列車がなぜあんなに速く走ってきたのかわからない。列車は車止めのブロックに衝突したあとコンコースに突っ込み、待合室のそばの壁まで来て止まった。列車の1両目の前半分が最も大きく壊れた。列車の窓を蹴り破って乗客を救出した。現場はとても混乱して、恐ろしい状況だった」と話していました。

事故当時、駅の近くにある建物の中にいたという男性は、「大きな衝突音を聞いて、外に出た。駅の中はパイプやワイヤーなどが垂れ下がり、めちゃめちゃの状態だった。人々が血を流して倒れ込んでいたり、逃げ惑っていたりしていた。トラウマになるような最悪の光景だった」と話していました。

列車の後部車両に乗っていた60代の女性は、ロイター通信に対して「列車は減速せずに、速度はとても速かった。とてつもなく大きな衝突だった」だと話しています。

列車に乗っていたという女性は、ロイター通信などの取材に対して「私の目の前にいた乗客は大けがをしていた。先頭車両に乗っていた人たちが悲鳴を上げているのが聞こえた。電車から降りると、多くの乗客が列車から出られなくなっていることに気付き、警察官が次々と助け出していた。顔面が血だらけになった男性の姿も見た」と話していました。

複数路線乗り入れる終着駅

列車を運行する鉄道会社「ニュージャージー・トランジット」のホームページによりますと、事故があったホーボーケンの駅は複数の路線が乗り入れる終着駅です。
ホームの先には車止めがあり、列車は突き当たりで停止する構造になっています。ニューヨーク・マンハッタンに向かう別の路線に乗り換えができ、平日は、ニューヨーク中心部への通勤などのため、1日平均でおよそ1万5000人が利用するということです。