非常に刺激的・挑戦的だった小池知事の所信表明演説
こんにちは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
傍聴席が満席となる中、都議会定例会がスタートしました。小池知事が議場に入る際には、傍聴席から満場の拍手が送られるという異例な光景も…。
(全録)東京都議会開会 小池知事が所信表明演説 その1 / FNN
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00337500.html
その様子は動画にて上記サイトですべてご覧いただけますが、結論から言えば非常に刺激的かつ挑戦的で、意欲に溢れた小池知事らしい所信表明だったと思います。
何より驚いたのが、都議会について踏み込んだ発言を連発したこと。二元代表制の相手方である議会に対して、これほど明確なメッセージを入れ込むことは今までになかったと思います。「越権発言だっ!」って反感を買いますからね…。
特筆すべき内容を、以下にいくつか引用して紹介します。
知事個人の利益のためではなく、都議会の皆さまの利益のためでもなく、都民のため、つまり、都民全体の利益が最大化すると信じることを、お互いに議論をぶつけ合う。それが、新しい都政における都議会の姿だと考えます。
すごいですよね、この発言。かなりストレートに「これまでの都議会は、意思決定の過程が閉鎖的なブラックボックスだった」ということを示唆してきました(まあ、本当にそうなんですけど)。
そして後半は、あくまで知事と並列という形ではありますが、これまでの意思決定が必ずしも都民の方向に向いていなかったことを示しつつ、都議会のあるべき姿についても知事自ら言及しています。
所信表明の終盤では、この点をさらに公然と述べています。
「公」の意識を持たないものが、「個」の利害のために、「公益」を捻じ曲げることがあってはなりません。私利私欲を満たすことがあってはなりません。(中略)
後藤新平が苦労して創った東京の骨格に、溢れんばかりの贅肉をつけてしまった巨大な肥満都市東京を叱っている気がします。
こちらも超・強烈です。「都議会議員」という固有名詞を敢えて出しながら、私利私欲を満たしている存在を暗示します。
公共事業に塗れて、高コストの肥満都市となってしまった東京。その影にいた権力者は、一体だれなのか…。そんなことをもう一度、深く考えざるを得ません。
また一方で、都議会の存在意義そのものに疑問を投げかける、強烈なセンテンスもありました。築地市場の豊洲移転についての文脈の中で、
所信表明は豊洲市場の問題と、それに対して「知らなかった」「聞いていなかった」と証言する都職員たちへの痛烈な批判と改善への決意表明から始まりました。
こうした状態に対して、チェック機能を果たすべき都議会はこれまで、一体何をやってきたのか?そしてこれから、何ができるのか?一方で私には、都民の皆さまの食の安全を守る強固な意思があるぞ、と…。
このメッセージに対しては、私自身も2013年の任期から豊洲新市場の問題に気づけなかった不明を恥じるばかりであり、都議会の一員としての責任を痛感している次第です。
■
このように、都議会への強烈なメッセージが散りばめられた知事所信表明。本日は議場からヤジや批判が飛ぶことはありませんでしたが、内心は忸怩たる思いで聞いていた都議たちも多かったと思います。
私個人としては今回の知事の示唆について大いに賛同するところであり、これを機に都議会も自ら変わっていく必要があると思っています。
この先制パンチを受け、これまで都議会のやり方を牛耳ってきた勢力は、一体どのような対応を見せるのか。来週に始まる代表質問・一般質問は、やはり目が離せない展開となりそうです。
その他にも豊洲新市場の問題については、
と述べられるなど、時間をかけて安全性の確認や責任の所在を明らかにすることを表明されました。専門家会議やプロジェクトチームの報告を待ちながら、適宜対応していくのだと思います。
明日は10時から都政改革本部、14時から市場問題プロジェクトチームの会議が、どちらもフルオープンのネット中継で公開されます。
引き続き、ご注目をいただければ幸いです。
それでは、また明日。
おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。
アクセスランキング
- 24時間
- 週間
- 月間