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有害物質基準超え 小池知事、移転判断影響も

水がたまった青果棟の地下。コンクリートが敷設されていない砕石層がむき出しの場所では、深いところで約15センチの水たまりができていた=宮間俊樹撮影

 東京都は29日、豊洲市場(江東区)で実施した8回目の地下水モニタリングで、環境基準値を超える有害物質のベンゼンとヒ素が初めて、青果棟がある5街区で検出されたと発表した。小池百合子知事の市場移転の可否判断に影響を与える可能性がある。30日には市場の盛り土問題に関する中間報告が公表される予定。

 基準値を超える有害物質が検出された地下水は、青果棟など一部建物の下の空洞で見つかった水を採取したものではない。だが空洞の水は、地下水がわき上がってたまった。都は、地下水管理システムで空洞の水を解消できるとしている。

 モニタリングは計201カ所で2014年から続けられている。最終9回目の結果は来年1月に公表予定で、知事はこの結果を待つべきだと移転を延期した。

 今回は基準値の1.1〜1.4倍のベンゼンが2カ所で、1.9倍のヒ素が1カ所で検出された。都の担当者は「検出理由は分からない。専門家会議などでの検証を踏まえ適切に対応する」と説明した。

 環境省地下水・地盤環境室は「飲むわけではなく、地点数も少ない。基準値をわずかに超えることはままあり、健康に影響する状況ではないが、モニタリングを続けて原因を調べる必要がある」と話した。【川畑さおり、蒔田備憲】

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