膝周辺にはさまざまな筋肉が付着している。これらの筋肉の硬直の組み合わせによって痛みの現れる場所が変化することが推測できる。           付着する筋肉群の支配神経の出発地点から、順に腰椎1番から骨盤にむかって行くと
○大腿四頭筋(腿前面)→大腿神経(腰椎1~3)

○内転筋群(内股)→閉鎖神経(腰椎2~4)

○ハムストリングス(腿後面)→座骨神経(けい骨神経腰椎4~5)

○大腿筋膜張筋(長けい靱帯)→上殿(お尻)神経

である。

腰椎にトラブルがあった場合、そのトラブル場所によって、膝周辺の硬直ポイントはかわる。腰椎上部から骨盤にむかって、(ズレがあれば)、
腿前面→内股→腿後面とふくらはぎ→外股

と硬直していくことになる。
神経の圧迫ポイントとしては、各神経の腰椎出口付近の腰方形筋とお尻の筋群が考えられる。他に病院にいくと、すぐに脊柱間狭窄症が指摘される。これは、ズレた椎骨あるいは、脊柱間の中の石灰沈着が脊柱神経の通り道を狭くする、とされるものだ。が、腰椎のズレをなおせば改善されるはずだ。腰椎のズレを固定化しているもっとも大きな原因は腰方形筋の硬直なのである。脊柱管のスペースが3分の1になっても脊柱神経の流れに影響はでないともされる。医者はこの矛盾にまじめに取り組む気配はない。したがって、おそらく脊柱間狭窄症とあきらめる必要はない。脊柱間狭窄症の場合、脊柱間内部に石灰の沈着が指摘されているので、ケアするならなるべく早いほうがいい。
腰方形筋とお尻の筋肉は2つの硬式テニスボールまたは軟式野球ボールで簡単にほぐすことができるので、
時間がとれるひとには、是非オススメしたい。

ところで自分が拝見したかたでは、膝痛は、膝内側(内転筋付着部)の痛みがもっとも多かった。はじめは単に内転筋が硬直して引っ張られて付着部がいたいだけのはずだったのが、その状態で山にいったり、岩にいったりで、半月板が傷むというかたが多いように思う。この膝内側の痛みを腰方形筋の硬直と照らしてみると
あることに気がつく。