南シナ海問題 中国 フィリピンと首脳会談調整

南シナ海問題 中国 フィリピンと首脳会談調整
中国外務省は、フィリピンのドゥテルテ大統領の中国訪問に向けて調整を進めていることを明らかにし、「政治的な意志さえあれば、越えられない敷居などない」として、首脳どうしの直接対話によって対立する南シナ海の問題で事態の打開をはかりたい考えを示しました。
フィリピン政府関係者によりますと、ドゥテルテ大統領は、就任後初めて、来月下旬に日本を訪問する方向で調整を進めているほか、日本よりも前に中国を訪問することも検討しているということです。

これについて、中国外務省の陸慷報道官は23日の記者会見で、「われわれはドゥテルテ大統領の早期訪中を歓迎する」と述べ、フィリピン側と調整していることを認めました。そのうえで、陸報道官は「いかなる2国間関係においても意見の相違はある。互いに問題解決に向けた政治的な意志さえ持ち続ければ乗り越えられない敷居などない」と述べ、ドゥテルテ大統領との首脳会談を実現し、南シナ海をめぐる問題で事態の打開をはかりたい考えを示しました。

ことし7月に、南シナ海をめぐる国際的な仲裁裁判でみずからの主張が否定された中国としては、前のアキノ政権と一線を画するドゥテルテ大統領との対話を早期に実現させることで、南シナ海での拠点構築に対する国際社会からの批判をかわし、日本やアメリカをけん制する狙いもあると見られます。