ベトナム 初の外交青書で中国批判
南シナ海の島々の領有権をめぐって中国と対立するベトナム政府は、初めて外交青書をまとめ、「中国の違法行為によって、南シナ海の状況は複雑になった」として中国の対応を批判しました。
ベトナム外務省は、初めて外交青書をまとめ、22日公表しました。この中で、中国と領有権を争う南シナ海の問題については、ベトナムと中国の2国間関係の中で、引き続き最大の懸案事項となっていると指摘しています。そのうえで、南沙諸島、英語名 スプラトリー諸島で中国が進める大規模な埋め立てや施設の整備などの違法行為によって2015年の1年間で、状況はより複雑になったとして中国の対応を批判しました。そして、ベトナムは、南シナ海での自国の主権を守るため、国際法に基づき平和的な手段で紛争を解決するとしています。
今回の外交青書は2015年の動向をまとめたもので、南シナ海をめぐる中国の主張を否定したことし7月の国際的な仲裁裁判の判断については言及していません。
今月開かれたASEAN=東南アジア諸国連合の一連の首脳会議では、中国側が南シナ海の問題で歩み寄りを見せましたが、ベトナム政府としては、この問題に関する姿勢を明確にすることで、中国をけん制する狙いもあると見られます。
今回の外交青書は2015年の動向をまとめたもので、南シナ海をめぐる中国の主張を否定したことし7月の国際的な仲裁裁判の判断については言及していません。
今月開かれたASEAN=東南アジア諸国連合の一連の首脳会議では、中国側が南シナ海の問題で歩み寄りを見せましたが、ベトナム政府としては、この問題に関する姿勢を明確にすることで、中国をけん制する狙いもあると見られます。