09月29日 12時38分
トヨタ自動車で事務職だった63歳の男性が、定年退職後の再雇用で清掃業務を提示されたのは不当だとして損害賠償などを求めた裁判で、名古屋高等裁判所は男性の訴えを退けた1審の判決を一部変更し、トヨタ自動車側に120万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。
トヨタ自動車を3年前に定年退職した63歳の男性は、再雇用後の職種として、これまで従事していた事務職ではなく清掃業務を提示されたのは不当だとして、トヨタ自動車側に損害賠償などを求めましたが、1審の名古屋地方裁判所が訴えを退けたため、男性が控訴していました。
名古屋高等裁判所の藤山雅行裁判長は、28日の判決で、再雇用後に全く別の業務内容を提示することについて、「継続雇用の機会を与えたとは言えず、通常の解雇と新規の採用にあたる」と指摘しました。
その上で、「希望者は65歳まで継続して雇用するよう企業に義務付けた高年齢者雇用安定法の趣旨からすると、定年前の業務内容と全く別の職に就かせることは継続雇用の実質を欠いている」として、トヨタ自動車側に127万円の支払いを命じました。
これについて、トヨタ自動車は、「主張が認められず残念だ。今後の対応は判決を精査して判断したい」とコメントしています。
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