安倍首相「落ち着いて取り組む」 改憲実現向けて
安倍晋三首相は10日夜、TBSの参院選報道番組で、改憲勢力で3分の2を占める勢いであることを踏まえて「この選挙で憲法の是非が問われていたものではない。憲法改正は自民党立党以来の悲願だが、国民に問うのは国民投票。憲法審査会で今後議論し、国民的理解が高まる中でどの条文(を修正する)かが収れんされていく」との見通しを語った。
憲法改正に向けた野党との協議に関しては「与党野党(のくくり)ということではない。国会が発議するという観点から、与野党なくしっかり議論してほしい」と述べた。
2018年の総裁任期内で憲法改正を目指すかを問われた首相は「(07年の)第1次安倍政権で国民投票法ができた。今回、18歳から投票できる法律もできた。しっかりと橋が架かった。これからは憲法審査会でいかに与野党で合意を作っていくかだ。任期はあと2年だが、(改憲の実現は)自民党としての目標。落ち着いて取り組んでいきたい」と意欲を示した。
一方、連立与党を組む公明党が改憲に慎重な姿勢を示していることについては「公明党の立場、考え方を選挙を通じて話された。今後、どういう条文をどう変えていくかは議論する中で決まっていく。選挙で議論したわけではないので、選挙後に申し上げることはない。憲法審査会で議論していく」と述べるにとどめた。【錦織祐一/デジタル報道センター】