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中日ビル、建て替えへ 中日劇場は18年に営業終了

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 中日新聞社と子会社の中部日本ビルディング社は二十八日、名古屋・栄の「中部日本ビルディング」(中日ビル)を建て替えると発表した。開館から五十年がたち、老朽化が進んでいるため。二〇一九年三月末に閉館し、新ビルは二〇年代半ばの完成を目指す。建て替えに伴い、中日ビル内の中日劇場は一八年三月末で営業を終え、閉館することを決めた。

 新ビルの規模や中身は未定で、今後策定する基本計画で概要をまとめる。記者会見した中日新聞社の水野和伸専務は「(名古屋中心部の)栄の活性化の一翼を担えるよう検討を進める」と強調。二六年の夏季アジア大会や、二七年のリニア中央新幹線開業などビッグイベントの前に完成させたい意向を示した。

 現在、中日ビルに入る「栄中日文化センター」は、中日ビル社が取得する約百メートル南の電通名古屋ビルに一八年秋に仮移転し、新ビルに再び入居する。宴会・会議場「中日パレス」はビル閉館と同時に閉じる方向で検討する。

 閉館する中日劇場は新聞社が直営する全国唯一の劇場で、中日ビルと同じ一九六六年に開業。座席数は千四百二十で、歌舞伎や宝塚歌劇団、著名芸能人の座長公演など多彩な演目で親しまれてきた。

 水野専務は「五十年間ほぼ赤字で、本格的な劇場を民間だけの力で経営するのは極めて厳しい。断腸の思いで閉鎖せざるを得ない」と語った。新ビルに本格的な劇場はつくらないが、多目的ホールなど文化発信につながる拠点を整備する方針だ。

 <中日ビル> 1966年に完成した複合ビル。地下4階、地上12階(高さ53メートル)建てで、延べ床面積は8万4000平方メートル。完成当時は中部地方で最大、全国でも5位の広さを誇った。外壁をブロンズ色で統一した品格ある建物は栄のランドマークとして親しまれてきた。現在はオフィスや飲食・商業店舗など約180のテナントが入居する。

 

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