つい最近書いた記事が,下記のサイトでほぼ丸ごと無断転載されていた。
[モノシリンの3分でまとめるモノシリ話]異次元の金融緩和by日銀が異次元すぎる件 - シャンティ・フーラの時事ブログ
これを知ったのは岡口基一裁判官の下記ツイートがきっかけである。
こんなに異次元なことをやっても、なおうまくいかない日本経済 https://t.co/nQJdQ2pcA3 pic.twitter.com/He7cbzIApp
— 岡口基一 (@okaguchik) 2016年9月27日
岡口裁判官に呟いていただけるとは実に光栄・・・と,リンク先を確認してみると,「シャンティ・フーラ」・・・?
なんじゃそりゃ。
確認してみると,ほぼ丸ごと私の記事を転載している。もちろん私は転載の連絡など受けていない。
私の記事をコピーしているので複製権侵害,それをサーバーにアップロードしているので公衆送信権侵害,記事の一部を赤字にしてやや改変しているので翻案権侵害及び同一性保持権侵害・・・ざっと思いつくところでこれだけの著作権侵害及び著作者人格権侵害がある。
一体どういう考えでこういうことをするのだろうと調べてみると,サイト運営者によるこのような記載があった。
シャンティ・フーラの時事ブログは、大手メディアにはない独自の視点から世界の現状を洞察するために、ブログ上の重要な記事を編集・紹介して、皆さまに提供することを目的としています。インターネットの目的は、基本的に情報の共有であると認識しています。したがって著作者が著作権及び転載不可の明示をしていない限り、記事は基本的に共有、拡散を期待しているものと考えています。本来、転載元を明記して転載記事の全文を表示するのが作法だと考えられますが、多くの場合、長文の記事の全文を読む時間が取れる人はそれほど多くないと思われるため、読者の便利を図って記事を適切に編集・要約しています。さらに時間のない方のために記事の中の重要部分を赤字にし、赤字部分だけを読むことで要点が掴めるように工夫しています。記事に興味を持ち、全文を読む場合はリンク先の元記事に辿れるようにしてあります。
赤字は私がつけたもの。
これはいかんですよ。転載するならちゃんと同意とりましょう。
「基本的に共有,拡散を期待している」というのはそうかもしれないが,勝手に全文転載することまで許容しているわけがない。
前述のとおりこれは完全に著作権法違反。確かに転載元として私のブログのリンクを貼っているがそれでセーフになるわけではない。
しかも岡口裁判官のツイートが効いたのか,転載先の方がはるかにアクセスされている模様。非常に複雑な気分である。私が苦労して作った記事にタダ乗りされているだけじゃないのか,という感じ。
ルールはルールなので守っていただきたい。というわけで問い合わせフォームを使用して苦情を言っておいた。そして,本当にブログの作者が送信しているのかむこうも確認できないと思ったのもあり,本人確認の意味を込めてこの記事を書いている。
せっかく結構拡散しているようなので,削除してくださいとは言っていない。
異次元の金融緩和が異次元過ぎることは多くの人に知ってもらいたいからである。
現実とは思えないでしょう。このマネタリーベースの増え方。
シャンティ側に伝えたのは,無断全文転載はさすがにやり過ぎだが,例えば文章の一部を紹介して,続きはこちら・・・・みたいな感じでリンクを貼るだけならまだ許容できるます,ということ。
これなら相手にもメリットがあると思うんだが。
私としては,記事を取り上げてくれたこと自体は嬉しいので複雑な気分。
ちなみに,ネット上の他人が書いた文章を同意なしで使えるのは下記引用の要件を満たす場合。
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
より具体的にいうと下記のとおり(文化庁のサイトより)。
ア 既に公表されている著作物であること
イ 「公正な慣行」に合致すること
ウ 報道、批評、研究などのための「正当な範囲内」であること
エ 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
オ カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
カ 引用を行う「必然性」があること
キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)
今回の無断転載はこの要件を満たさないことが明白だろう。私の記事を転載してちょっと何かコメントしてあるだけなので,少なくとも上記エは満たさないと思う。
私の記事について好意的に扱ってくれたのは確かなので,あまりシャンティさんの悪口を言う気にはならない。今後は気を付けてほしいと思う。
というわけで,本家本元の記事は下記のリンク。