日立・東芝・三菱重、核燃料事業の統合へ調整
年内の合意が目標
日立製作所と東芝、三菱重工業の原子力発電メーカー3社が、核燃料事業の統合に向けて調整に入ったことが28日、わかった。
3社が3分の1ずつ出資して持ち株会社を新設し、各社の持つ燃料会社を傘下に収める案が有力となっており、年内の合意を目指している。
福島第一原子力発電所の事故により原発の再稼働が遅れている影響で、燃料の受注は減っており、各社の経営状況は厳しいとされている。事業の重複も足かせとなっている。統合により、生産拠点の統廃合などを通じた経営の効率化が図れるほか、原料の調達コストを抑えることが期待される。
燃料事業の統合に向けて準備を進めているのは、日立、米ゼネラル・エレクトリック(GE)などが出資する「グローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)」、東芝傘下の米ウェスチングハウス(WH)などが出資する「原子燃料工業」、三菱重工と仏アレバが出資する「三菱原子燃料」。いずれも原発に必要な核燃料を製造している。
既に日本側と海外メーカーとの調整が始まっているという。
福島の事故以降、世界的に原発新設の機運が落ち込む中、政府は最終的に日立、東芝、三菱重工の原発事業そのものの統合を進めたい考えで、燃料事業の統合がその第一歩になるとの見方もある。