音楽ライブ市場が2000年の統計開始以来、初めて3000億円を突破した。ぴあ総研(東京・渋谷)によると、15年の音楽ライブ市場は前年比25%増の3405億円。8年連続で前年実績を上回った。複数のアーティストが出演するフェスティバル形式の音楽イベントや、アニメソングのライブが大型化し市場規模と動員数が膨らんだ。
音楽ライブ市場の約9割を占めるポップスの市場規模は2952億円。動員数は3593万人でともに過去最高だった。
ポップス(フェスは除く)の動員数トップは、アイドルグループの嵐。27回の公演で118.4万人を集客した。来日した歌手では韓国人の男性グループ東方神起が1位で、16回の公演で66.7万人を集めた。
フェスティバル形式の音楽イベントは「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」や「フジロック フェスティバル」、「サマーソニック」といった10年以上続く老舗フェスの動員数が軒並み増加した。フェス全体の動員数は200万人を初めて突破。市場規模も2%増の222億円となり、2年連続で拡大した。
声優らが歌うアニメソング関連のライブイベントも、熱狂的な人気がある。
日本最大級のアニソンライブ「アニメロ サマーライブ」は、3日間で計8万1000人を動員した。15年のアニソンライブ市場は約7割拡大し、148億円に膨らんだ。
音楽ライブ市場に、ミュージカルをはじめとするステージパフォーマンス市場を合わせた、ライブ・エンタテインメント市場の規模は5119億円だった。
ミュージカルでは劇団四季の「ライオンキング」や「リトルマーメイド」などが人気だった。漫画やアニメの原作をもつ2.5次元ミュージカル市場は104億円だった。
(広沢まゆみ)
[日経産業新聞9月28日付]