月例会発表概要

ARCS動機付けモデルに基づく映像利用の
アウトプット中心型授業 ― アニメ映画を素材に

香港浸會大學 語文中心
望月 貴子


2010年に実施された香港日本語教育研究会の調査によると、香港の日本語学習者のほぼ100%が日本の製品・商品を購入し、日本の映画やテレビを目にし、J-POPなどの日本の音楽を聴いたことがあります。学習者はテレビやインターネット等のメディアを駆使して自分が関心を持っている日本関連の情報を入手しています。

では私たち教師側はこういった映像素材をどのようにして工夫して授業に取り入れているでしょうか。私も含め、文型や語彙の導入・確認、日本文化の紹介など、どちらかと言えばインプット中心の使い方をしてきた先生方が多いのではないでしょうか。

アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラーは学習者の学習意欲を高めるために大切なこととしてA:Attention(注意) R:Relevance(関連性) C:Confidence(自信) S:Satisfaction(満足)の4つを挙げています。

映像をインプットとして用いるだけではなく、香港人学習者の特質を生かしつつ魅力ある授業を行うためには、どんな工夫をしたらいいでしょうか。香港人が大好きなジブリの作品を素材に、学習者の自信と満足につながるアウトプット中心の授業の進め方について考えてみましょう。