私は「猫のしっぽ カエルの手」という番組が大好きで。
NHKで放送されている、ちょっとおしゃれなエコ・ライフスタイル番組。
いわゆる「ほっこり」系というかな。
京都大原の築100年の古民家に住んでいる、ハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさんの暮らしぶりを伝える番組。
観てると心が落ち着くというか。
「いいなぁ~。自分もベニシアさんのように生きたいなぁ~」
って一瞬、安易に思っちゃったんですけど、調べてみると案の定というか、ベニシアさんには、壮絶な過去がありました。
めっちゃ苦労人。
ベニシアさんの番組「猫のしっぽ カエルの手」が、すごくいいです。
一応、あらためて簡単におさらいしておきましょうか。
京都・大原。山里の美しい四季の移ろいの中で、ゆったり営まれる手づくり暮らしを詩的映像で綴る、ちょっとおしゃれなエコ・ライフスタイル番組。
主人公はハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさん。京都大原の築100年にもなる古民家でおよそ200種類のハーブを育て、手作り暮らしをするベニシアさんを1年間にわたって追い、ハーブを活用した生活からさまざまなヒントをお伝えします。
ベニシア・スタンリー・スミス(Venetia Stanley-Smith)
ベニシア・スタンリー・スミスさんは1950年、貴族の館で知られるイギリス・ケドルストンに生まれました。19歳のころから貴族社会に疑問を持ちイギリスを離れてインドを旅するようになり、71年に来日しました。そして不思議な巡り会わせで、京都大原の古民家に暮らすようになったのです。
78年から京都で英会話学校をはじめ、現在の「ベニシア・インターナショナル」を設立。96年、夫である梶山正さん(山岳写真家)と末っ子の悠仁くんとともに大原に移住してハーブガーデンを作り始め、手作りの暮しを実践してきました。上の三人の子どもは既に独立し、孫も二人います。
番組の動画は大人の事情で貼れませんので、ベニシアさんの生活を追ったドキュメンタリー映画の予告動画をどうぞ。
映画『ベニシアさんの四季の庭』予告編 シネマトゥデイ
伝統ある英国貴族の家系に生まれ、現在は京都・大原の古民家に住むイギリス人女性ベニシア・スタンリー・スミスさんを追ったドキュメンタリー。
テレビ番組「猫のしっぽカエルの手 京都大原ベニシアの手づくり暮らし」で紹介されたハーブを使用したレシピや生活と共に、いかなる状況でも前向きで笑顔を絶やさない彼女が歩んできた試練多き半生にも迫る。
約100種類のハーブが育つベニシアさん手作りの庭や、大原の美しい自然を堪能できる。
幸せそうに見える人が、実はとんでもない苦労人だったというケースってありますよね。
幸せそうな人って、あまり苦労していなくて、何不自由ない人生を歩んできたように見られちゃう事ってあると思うんです。
「この人、苦労して無さそうだなぁ…。イイ身分だよ。」とか思われちゃったり。
でもね、私個人としては、ある種の「やさしさオーラ」?みたいなものを醸し出している人を見た時に、
「実はこの人は、過去に壮絶な地獄を味わったことがあるんじゃないかな?」
って勘ぐっちゃうんですよね。
「地獄を知っているからこそ、そこから這い上がってきたからこそ、やさしいのではないか?」
そんなふうに思ってしまうのです。
例えば、星野 源(ほしの げん)さんとか。
過去に何度も記事にしています。
星野源のうたは、やさしい。愛がある。
これはね、本当に地獄を見て来た人、特有のモノなんじゃないかと思う。
小学校時代のいじめから、パニック障害で精神科へ通院、その後は引きこもりの時期もあった。
最近でも、本格的なブレイクを前にして、くも膜下出血による活動休止、さらには再起した直後の再手術による2度目の活動休止など、結構な地獄をくぐり抜けてきている。
小学校時代のいじめから精神を病んで、散々地獄を味わって生きてきた星野源(ほしの げん)が紡ぎ出す歌は、むしろ突き抜けて明るい。
地獄を克服してきた人の生み出すメッセージはとてもやさしい。
表現者、星野 源(ほしの げん)の最終学歴は「自称・小卒」だ。
中卒とか、高卒ってのは聞いたことあるけど、小卒って…。
精神を病んで、あんまり学校に行けなかったんだろうなぁ。
役者としても活躍、35歳の童貞役がドハマり…!
日本アカデミー賞新人俳優賞!
しゃべりも面白い!
そして…案の定と言っては語弊がありますが、ベニシアさんにも、壮絶な過去がありました。
※注意
過去に見たベニシアさん情報の記憶を頼りに書いています。非常にあいまいです。
興味を持たれた方は、是非、ご自分で調べてみてね~。
私の記憶が確かならば、ベニシアさんの若い頃に関する記事は、ベニシアさんご本人のブログで読んだはずなんですが、今、確認してみたところ、過去記事が削除されているかも知れません。(断言はできません。私が見落としてるだけかも)
一番最初のブログ記事の本文中に「先月のブログを書いて……」という記述がありますので、おそらく元々はそれ以前のエントリーもあったはずなんですが…。
それでは、記憶を頼りに、ベニシアさんの若い頃の話を…。
ベニシアさんは貴族の生まれです。
ちょっと日本人にはピンと来ない世界ですよね。
私も詳しいことは全然知らないんですが、ベニシアさんのお母さんが、まぁなんというか、社交界?に出入りしてて、華やかな生活を送っていたそうです。
いろいろとね、着飾ったりすることで忙しくて。
毎日、パーティーだったんでしょうね。
子育てしてる暇なんて無かったらしくて。
実際にはベニシアさんを生んだ後、ほとんど接していないんです。
ベニシアさんは「ナニー」に育てられました。
「ナニー」とは、母親に代わって子供を育てる女性の事で、イギリスでは国家資格にもなっている職業です。
ベビーシッターとかいうレベルではなく、本当の母親のように子供と接することになります。
ゴリゴリの階級社会ですね…。
ベニシアさんのお母さんは、なんというか、語弊があるかも知れませんが
いわゆる「恋多き女」というか。
母であることよりも女であることを選んだような人だったらしくて。
結果、ベニシアさんのお父さんは、何度も何度も変わります。
いろいろと複雑な家庭環境です。
ベニシアさんが十代後半の頃だったと思いますが、突然、育ての親のナニーと引き離されてしまいます。
ベニシアさんがナニーの事を慕い過ぎている、という事実がお母さんとしては非常に面白くなかったんですね。
「実の母親よりも、雇っているナニーになついている」というのが許せなかったんでしょう。
ベニシアさんの育ての母は、なかば強制的に、母国のフランスへと帰らされてしまいます。
そして、無理矢理、ナニーと引き離されてしまったベニシアさんは、メンタルをやられてしまいます。
心の病気を患い、入院してしまいました。
たしか、何度も入退院を繰り返したんじゃなかったかな…?
非常にやるせない話です。
昨日の記事にもちょっと書きましたけど、幼少期に親からの無条件の愛情を得られなかった場合、精神的にもろかったりするんですよね…。
ちょっと冷静に考えてみれば分かりますよね。
貴族の娘が、いったいどんな理由で、アジアの片隅の日本で暮らしているというのか。
絶対に、何かとてつもないワケがあったはずなんですよね。
普通に順風満帆な人生だったら、ベニシアさんだって、今頃、社交界でパーティーに明け暮れていた事でしょう。
ちなみに「猫のしっぽ カエルの手」にも時々登場する、ベニシアさんの娘さんも心の病気と闘っていて、入退院を繰り返しているようです。
「うらやましいなぁ~。ベニシアさんみたいに生きたいなぁ~」
なんて、軽々しく思っちゃった自分のあさはかさね…。
以前、イノッチと有働アナウンサーがやってる番組「あさイチ」で、ベニシアさんの特集をやってたので観たんですが…。
「あさイチ」でベニシアさんの特集をやってたのを偶然、観た時の話を。
その時に取り上げていたエピソードも、決してほっこり系の話ではありませんでした。
またまた、記憶を頼りに書きますので、多少間違ってるかも。
興味のある方は、自分で調べてみてね。
ベニシアさんと、夫の正(ただし)さんとのエピソードです。
ある時、正さんは、家を飛び出します。
家族を捨てて逃げます。
精神を病んだ娘さんを重荷に感じて、もう無理!と限界を感じて逃げ出した…という話だったはず。(違ったらゴメン)
ところがその後、正さんは、山登りをしていて滑落し、重傷を負います。
入院している正さんの所にベニシアさんが訪れた時に、正さんはこんなことを言います。
「オレは、家族を重荷に感じて逃げた。当然、今度はお前がオレを重荷に感じて逃げるんだろう!?」
ベニシアさんは答えます。
「何言ってんの!私はあなたを見捨てない!絶対に見捨てない!」
完全に「ベニシアさん素敵!」ってなるエピソードではありますが、正さんがしょ~もない男のように描かれていますね…。
(番組自体は、ベニシアさんを絶賛する感じの構成でした)
ここからすごい展開が待っていました。
さて!
ここで、正さんと電話がつながっていま~す!
それでは聞いてみましょう。
…って、司会のイノッチが…(◎_◎;)!
生放送で、正さんと電話がつながっているという地獄。
イノッチ
「正さんは家族を捨てて逃げたのに、ベニシアさんは正さんを見捨てませんでしたよね?ベニシアさん素晴らしいです。正さん、どう思いますか?」
正
「はぁっ!?」
まぁ当然と言えば当然ですが、正さん、若干キレ気味ですよ。
イノッチ
「(あれ…電話が遠くてよく聴こえなかったのかな…?)」
※私なりの見解
正さんは電話が遠くて「はぁっ!?」っと言ったわけではなく、「なんだお前、ケンカ売ってんのか?」的な意味で「はぁっ!?」と発したような気がします。
ピュアなイノッチ
「(大きな声で)いや、だから、正さんは家族を捨てて逃げたのに、ベニシアさんは~・・・」
イノッチ、もう一回、言う!!
なんかもうね、その後の電話のやりとりが、すごく変な感じで。
正さんがぽつりぽつりと絞り出すように言葉を発して…。
・・・・・・
ぎりぎりアウトな事故を目撃したような気分になりましたね。
まぁそんなこんなで。
決してベニシアさんの人生は順風満帆でもないし
「出来る事ならベニシアさんになりたい!」
と思わせるような、誰もがうらやむイージーモードではないんですよ。
苛酷ですよ。
キツいんですよ。
ベニシアさんの番組「猫のしっぽ カエルの手」を観ると、すごく素敵な日常に観えますけど、それって素敵に見える部分を切り取って編集してるわけですからね。
まとめ。事情を知ったうえで観る「猫のしっぽ カエルの手」は、さらに趣が倍増します。
最初は、けがれを知らないピュアな箱入り息子みたいな目線で
「あ~…。『猫のしっぽ カエルの手』はいいなぁ~。安らぐなぁ~」
って思いながら観てましたけどね。
今では、
「ベニシアさんは地獄を乗り越えたんだ…だからこんなに素敵なんだ…。」
って思いながら観てます。
ワビサビです。
人生の哀愁です。
悲しみを知る者だからこそ、醸し出せるやさしさ。
「猫のしっぽ カエルの手」
オススメです。