日本の国際競争力8位に後退

日本の国際競争力8位に後退
スイスの経済研究機関が発表した報告書で、日本の国際競争力は総合評価で8位となり、先進国の中で女性の社会進出が遅れている点などが指摘されて去年より順位を2つ下げました。
この報告書はダボス会議で知られるスイスの経済研究機関、世界経済フォーラムが毎年まとめているもので、ことしは138の国と地域を対象に経済に関する調査に基づいて評価した国際競争力を発表しました。

それによりますと、日本は総合評価で8位となり、去年から順位を2つ下げました。日本は、インフラの質が高いことや研究開発への企業の投資が多いことが評価された一方、先進国の中で女性の社会進出が遅れている点や、外国人にとって魅力的な労働環境になっていないことなどと指摘されています。

一方、トップは技術革新力などが高いと評価されたスイス、2位はシンガポール、3位はアメリカで、いずれも去年と同じ順位となりました。アジア地域ではこのほか、香港が日本に続く9位、台湾が14位、マレーシアは25位、韓国が26位、中国が28位などとされています。

「日本は3位以内が目標」

野上官房副長官は記者会見で、「日本は、2020年までに3位以内に入ることを目標に掲げている。労働市場の流動性や、女性の社会進出などの課題が指摘されていると承知しているが、『働き方改革実現会議』で精力的に議論を進めて、具体的な実行計画を年度内に取りまとめ、しっかり取り組みたい」と述べました。

国際競争力トップ10は

世界経済フォーラムの報告書によりますと、世界138の国と地域の国際競争力は、1位がスイス、2位がシンガポール、3位がアメリカで、順位は去年と変わりませんでした。4位は順位を1つ上げたオランダとなり、5位のドイツは順位を1つ下げました。6位のスウェーデンと7位のイギリスは順位を上げて日本を抜きました。8位は日本、9位は香港、10位はフィンランドとなっています。