台湾バス事故 日本人8人けが 「停止中に横転した」

台湾バス事故 日本人8人けが 「停止中に横転した」
27日、台湾の高速道路で観光バスが横転して乗客の日本人8人がけがをした事故で、バスは路上で停止していたときに台風による強風にあおられて横転したことが乗客への取材でわかりました。
台湾中部の彰化県の高速道路で、27日午後、台湾に上陸していた台風17号の強風で観光バスが横転し、日本人の乗客29人のうち8人と現地のガイド1人の合わせて9人がけがをしました。

頭にけがをした東京都練馬区の伊藤和子さん(71)は宿泊していた台中市のホテルで、28日朝、NHKの取材に応じ、「救助されたあと、痛いと感じて、あとは何もわからない。バスが倒れたことや風で揺れたことも記憶が全然ない」と話しました。

けがをしなかった夫の紀男さん(75)は、27日の出発前の状況について、「台風の影響で新幹線も運休していると聞いていたので、バスはいいのかな、高速道路は大丈夫かなと思っていたが、ガイドさんが『大丈夫、大丈夫』と言っていた」と振り返りました。そして、事故については、「バスが止まったあと、風で横ぶれしてもしかしたらと思った瞬間に横転した。雨はそうでもなかったが、風はすごかった」と話しました。

事故に遭った乗客たちは手当てを受けている2人を除く27人が、28日午後、飛行機で帰国する予定だということです。

官房副長官「検証と再発防止を要請」

萩生田官房副長官は記者会見で、「8人の日本人が負傷し、うち1人が重傷だが、現段階で命に別状はないと報告を受けている。政府としては、事故を踏まえて、旅行会社である『JTBメディアリテーリング』に対し、負傷した方々に対する万全の対応とツアーに参加した日本人29人全員の正確な状況を各家庭に報告するよう要請した」と述べました。

そのうえで、萩生田官房副長官は「負傷した方々の1日も早い回復を祈るとともに、今回のツアーの状況を検証したうえで、再発防止に努めてもらえるよう、当該旅行会社や業界団体に要請をしているところだ」と述べました。