ここ最近は「ブログは記事の量産よりも質を重視せよ」というのが主流であり、それに異を唱える者は少なくありません。僕も概ね同意なのですが、それでは「記事を量産することは無駄なの?」と問われればそうとも言えないんです。
初心者に限った話かもしれませんが
記事を量産することには一定の価値がある
と僕は捉えています。
記事量産の価値
- ライティング力向上
- 内部リンク網増加
- 経験値増加
箇条書きに端的に示すとこの3つが挙げられます。
これだけで「OK」って思った人は、現状で記事を量産する必要はありません。ですが「え、なになに?」っていうサイト運営歴が浅い人は、以下掘り下げた内容を見て参考としてください。
1 ライティング力向上
記事は書けば書くほど「書く」力が付きます。具体的には「1か月前は500文字書くのが辛かったけど、今は1000文字はいつの間にか超えてる」こんな具合に。
綺麗でまとまりのある文章や読ませるものを作り上げるなら、書籍などで勉強するか誰かの推敲を受けるのが近道です。ひたすら書いていればエッセイストや小説家になれる、という話ではありません。
ただ、ブログを開始して間もないころは右も左もわからないものです。当然、1000文字書くのも一苦労かもしれない。そこに「量より質だから、そんなに頑張って増やしても無駄だよ」というのはいささか情に欠くアドバイスのような気がしてならない。
ブログなんてやる気があれば地を這いずり回る運営でもいつか日の目を見るものでしょう。そう考えれば、新進気鋭の不器用な初心者の奮闘を「今はそれで良いんじゃない、書けるようになってくれば見えてくるものもあるさ」くらいの温かい眼差しで見守るくらいが丁度いいのではないかと。
ブログ記事量産の1つめの価値、それは自分なりにでも「書く力」を付けることができること。これは間違いなく価値であると断言します。
2 内部リンク網増加
外からリンクをもらうことで、それが質の良いものであればあるほど検索エンジンからの評価が上がり、上位表示されやすくなる。これはご存知かと思います。
次に重要となるのは内部リンク。サイト内の記事からもらうリンクのことですね。これを張り巡らすことで、サイト内滞在率の向上はもとより、SEO効果があるといわれています。
記事を量産するとカテゴリ別にコンテンツが豊富になってくるはずです。ここで新たな記事を更新した際に、過去に書いたそれらの記事から一斉に新記事に対して内部リンクを貼り付けてやる。こうすることで新しい記事にも援護射撃のような形で力を与えることができるのですね。
記事数が少ないと、これはできない戦略です。ここにも記事量産のアドバンテージがある。ポイントはしっかりとカテゴリ別に記事を管理することですね。そうすることで過去に書いた記事を即座に引っ張り出して、内部リンク網を張り巡らす時に手間を省くことができるのです。
3 経験値増加
「ブログは量より質」と言われて「なるほどそうか納得!」などと、聞いただけで自分の中に完全に落とし込める人が果たしているでしょうか。
僕はかつて、5か月間で1000記事を更新しました。現在の主流とは真逆のことをやっていたわけです。もちろん、お見込みの通りそれが結果には直結しませんでした。ですが、先述の通り書く力と内部リンクを構築する基礎は間違いなく築けましたし、何よりも「経験値」が増加しましたよ。
認めたくないですけど、失敗は失敗だったんです。ブログ記事を量産することについて徒労ではなく、すべてが実ったかというと答えはNoですよ。ですが、僕はその5か月間で紆余曲折して大きな経験を得たのです。毎日毎日、つぶさにアクセス解析して、記事を量産した場合の成果の変動を見つめ続けた。結果、どうすればアクセス数が伸びるのか、収益に繋がるのかを身体で覚えることができたのです。
体育会系な考え方ですけど、長い時間を使ってでも、例えそれが失敗でも、自分で「あぁ、なるほどそういうことか」ってわかれば、これから先に迷うことはなくなるんです。初心者は失敗したことがないからこそ、漠然とした不安や悩みを抱えるんですよ。それならば思い切って失敗しちゃえばいいんです。泥にまみれてクタクタになったところで、雲の合間から一筋の光が差す。そんなこともあるんですよ。
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おわりに
失敗から学んで万々歳を落としどころにして終わろうと思ったのですが、これだけではあまりにも綺麗ごとすぎるので現実的な部分も書いておきます。
記事を量産した暁には途方もない整理作業が待ち受けています。「これはちょっと」というような記事のリライトや場合によっては削除、書きすぎて重複した内容の記事を統合したりカテゴリ整理したり。本当に嫌になるくらいの作業量です。
最初から質を重視して1記事1記事作りこんだほうがあとで作業をしなくて済むのです。そんなことはわかっているんですよ。けどこれ、今だからこそわかることであって、ブログを始めて無我夢中で更新しているときなんて、こんなことはわかりっこないんですよ。
始めからお行儀よく丁寧に作りこんで挫折するくらいなら、自己流でもとにかく突っ走って壁に激突して、それを超えて成長していく。これが僕の示す道です。やる気のある初心者には「とにかく書け」というアドバイスは揺るがないですよ。そこで失敗して学ぶことが多すぎるのですから。
どうしても自分のかつての運営スタイルをモデルにして成長を描くものですから、現在の知識をはじめから導入して成功へ導くような教え方ができない。心のどこかで「ブログ運営は苦労して学ぶもの」という信念があるのかもしれないです。
なので、僕のところに教えを求めてくるのなら、苦労して失敗する覚悟を決めてきてください(笑)洗練された「質を重視せよ」なんていうスマートなコーチングはできないものですから...。