DATE : 2012.02.04(土)
CATEGORIES : | Media NEWS |
近年ソーシャルメディアなどの普及により注目を集めるネットジャーナリズム。
そんな中ネットで活躍するフリーのジャーナリストを中心に設立された自由報道協会は一周年を機に「自由報道協会賞」を創設。
なぜこのような賞が創設されたのか。自由報道協会代表 上杉隆氏は「ネット、フリーランス、あるいは海外メディア、雑誌、そういう人たちに対して公平に与える賞が日本に存在していない。そういう頑張っている人たちの励みになるような形でジャーナリズム活動に対して顕彰しようと考えた」と言う。エントリーされたものはすべてが公募。さまざまなメディアからノミネートされた。1月27日にはこの自由報道協会賞の授与式が行われた。
インターネットによる投票の結果大賞に選ばれたのはIWJ代表の岩上安身氏。インターネット上でさまざまな会見の様子をノーカットで放送をしたことが評価された。しかしこの賞の創設が波紋を広げている。編集者 高田昌幸氏は賞自体の考え方に疑問があるとしノミネートを辞退。
この番組のコメンテーターでもある江川紹子氏は自由報道協会から脱会。メディア論を専門とする学習院女子大学石澤靖治氏は「広く公に一般から募ったという試みとしては良いと思うがインターネットの投票をしたという人は結局その自由報道協会に興味を持っている人たちでしょうから必然的にある一つの傾向が出てくる」とネットによる投票に疑問を投げかけた。また環境やエネルギーを専門とするジャーナリスト石井孝明氏は「志は良いと思うがバランスを欠いた説の報道が多かった。特に放射能問題では学者や医者の方々が批判を恐れて口をつぐむという状況が起こっている。その点で明らかに配慮が足りなかった賞であった。」
波紋を広げた「自由報道協会賞」。今後のネットジャーナリズムにどのような影響を与えていくのか。
スタジオコメンテーターメディアジャーナリスト津田大介氏は「選考過程をユーストリウムやニコニコ動画で中継しながらネットでの投票を行うなど、もう少し工夫が必要だったと思う」と語った。