長時間労働では待機児童減らぬ…首長ら要望
働き方改革は、厚生労働省が27日開いた待機児童解消に向けた対策会議でも取り上げられた。東京区部、仙台市、兵庫県明石市などの14市区長が参加した会議では、首長から保育の受け皿作りにとどまらず、長時間労働の改善など子育てしやすい環境が欠かせないとの訴えが相次いだ。
今年の厚労省調査で待機児童数が全国最多だった東京都世田谷区の保坂展人区長は「長時間労働が当たり前で、子供がいようがいまいが仕事には無関係という日本型労働慣行を今こそ変えるべきだ」と主張し、短時間勤務や在宅勤務などの仕組み作りを要望。沖縄県浦添市の松本哲治市長は「最終的には育児休業の問題だと思う。親が希望するなら、3歳くらいまでは家庭でみられるという政策を、国としてどう広げていくかが大切だ」と訴えた。
一方、保育所の整備について、塩崎恭久厚労相は、育休制度の充実の方がコスト低減になると指摘した東京都杉並区の田中良区長に同意する形で「子供の発育も含めて社会的コストを考えてみると、親元での愛着形成が大事な時期は育休取得の方が安いのではないか」と述べた。【野田武】