現代自動車労組が賃上げ交渉をめぐり、12年ぶりの全面ストライキに入ったことで、同社の蔚山、全州、牙山工場は26日、生産ラインが全面ストップした。労組員は出勤せず、部門別に大会を開いた。労組は今年の賃上げ交渉で既に19回の部分ストライキを行った。会社側はストライキによる生産への影響が11万台、2兆5000億ウォン(約2290億円)に達すると試算している。ストライキによる被害としては最大規模だ。労組は27日から30日にかけても、毎日6時間のストライキを続行する構えだ。
■最大規模のスト被害
労使は秋夕(中秋節)の連休だった先週末、賃金の5万8000ウォン(約5300円)引き上げ、成果給および激励金(350%プラス330万ウォン)、従来型市場商品券20万ウォン、株式10株の支給などで暫定合意した。会社側は争点だった賃金ピーク制拡大を撤回した。しかし、暫定合意の内容は27日の組合員による投票で78%の反対により否決された。
現代自労組のパク・ユギ委員長は「会社側から賃上げ案を含む追加提示がなければ交渉もない」と主張している。しかし、会社側は「労使がようやく暫定合意に達したにもかかわらず、再び追加賃上げ案を求め、全面ストライキに入るというのは、労使間の信義誠実に反する行為だ。労組の無理なストライキで現代自のみならず、数多くの下請け企業や地域経済にも被害を拡大する点を肝に銘じるべきだ」と指摘した。