養子不正斡旋で事業停止命令

養子縁組:千葉の業者が不正あっせん…初の事業停止命令

 千葉県は27日、営利目的で特別養子縁組をあっせんした疑いがあるなどとして、同県四街道市の養子縁組あっせん事業者「赤ちゃんの未来を救う会」(一般社団法人、伊勢田裕代表理事)に対し、社会福祉法に基づき事業停止命令を出した。養子縁組あっせんでの事業停止命令は全国初とみられる。

 県児童家庭課によると同会は4月ごろ、神奈川県の女性(23)の同意を得て東京都の50代男性とその妻に養子縁組をあっせんした。だが女性は、最終的な意思確認がないまま出産直後の6月21日に産院から男児を連れ去られたとして、縁組の同意を撤回。連絡を受けた警察が夫婦宅で男児を見つけ、7月2日に女性の元に帰された。その間、同会は適切な対応をしなかった。男児にけがはなかった。

 一方、同会は夫婦に2月、「100万円を払えば優先的にあっせんする」と持ちかけ銀行口座に振り込ませ、5月には「さらに資金が必要」として125万円を受け取った。児童福祉法は営利目的の養子縁組あっせんを禁じている。

 県は7月に2度指導し、書類提出を求めたが同会は拒否した。同会が実際にあっせんしたのはこの男児だけとみられるという。同会はホームページで「現在、活動を停止している」としている。【川名壮志、近藤浩之】

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