木走日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-09-27 「豊洲のパンドラ」を開けた小池新知事を強く支持する

[]「豊洲のパンドラ」を開けた小池新知事を強く支持する 18:28



 さて、小池百合子東京都知事であります。

 26日付け日経新聞では、日本経済新聞の世論調査で、豊洲市場をめぐっての小池知事の一連の対応を、なんと「評価する」は85%と国民の支持を得ていることを報じています。

 さらに、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏に限ると「評価する」は91%と、世論調査とはいえ、驚異的な数値をたたき出しております。

 豊洲市場をめぐっては、小池百合子都知事が8月末に移転延期を表明。その後、土壌汚染対策の盛り土を一部でしていなかったことが発覚し、小池知事は経緯を調査している。

 小池知事の一連の対応を「評価する」は85%。支持政党や年代を問わず、満遍なく幅広い支持を得ている。東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏に限ると「評価する」は91%に達した。

(参考記事)

豊洲市場への移転 「安全確認まで延期」64% 小池知事の対応、85%が「評価」

2016/9/26付日本経済新聞 朝刊

http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS25H1H_V20C16A9PE8000/

 今の小池氏の勢いは物凄いものがあります。彼女のパフォーマンスが多くの人をとらえていることは、もはや誰にも否定することはできないでしょう。

 築地から豊洲への移転延期を決断したところへ盛り土の問題が出てきて、一気に世論がヒートアップしました。

 盛り土の上に豊洲新市場の施設が建っていると皆が思っていたのに、地下空間になっていました、と。

 その犯人探しを今進めているわけですが、小池氏は問題を暴いた英雄のような存在として拍手喝采を受けている状態です。

 いつもは政治家の足を引っ張るようなゴシップ記事を飛ばす週刊誌も『文春』にしろ『新潮』にしろ、今回はきしくも同じ『パンドラの箱』という表現を使って小池新知事の対応を支持しています。

 例えば『週刊新潮』最新号では「意味不明が多すぎる「豊洲のパンドラ」20の疑問」と題して特集記事を掲載しています。

最新号

週刊新潮 2016年9月29日号

地下に溜まった怪しい強アルカリ水!

ピラミッドより謎多き豊洲の巨大建造物!

意味不明が多すぎる「豊洲のパンドラ」20の疑問

http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/

 新潮特集記事よりその結びを抜粋、ご紹介。

 「彼女が開けてしまったのは、もう20年以上も揉め続けていた『豊洲』というパンドラの箱。得体の知れない過去の利権や害悪がドロドロと流れ出る中、一方的に『劇場』の幕を下ろすのは簡単なことではない」

 週刊新潮 2016年9月29日号特集記事35ページの記事の結びより抜粋

 うむ、新都知事挨拶で自民党都議連から子供のようなガン無視対応をされました、都議会議長からは写真拒否というほぼ公開イジメに近い侮蔑的な扱いを新都知事が受けたのは、記憶に新しいところです。

 新都知事の後ろには圧倒的多数で彼女を選択した数百万の都民有権者がいることを、そして彼女を支持している全国の国民がいることを、愚かにも都連自民党関係者は無視してしまい、見事に国民の逆鱗に触れてしまったのであります。

 そして、築地から豊洲への移転延期を彼女が決断したところへ、たまたまか幸運(?)にもと表現してよいのでしょうか、盛り土の問題が出てきて、一気に世論はヒートアップいたします。

 ただ、『豊洲』というパンドラの箱を開けたならば、「得体の知れない過去の利権や害悪がドロドロと流れ出」てきたのはよいのですが、その出方にとどまるところがない、『新潮』が指摘するとおり、「一方的に『劇場』の幕を下ろすのは簡単なことではない」ひどい様相となってしまいつつあります。

 まず東京都の無責任体質が予想以上にひどく杜撰であったことが判明しつつあることです。

 報道によれば、東京都は、建設前に提出された環境影響評価(アセスメント)の評価書に建物直下にも「盛り土を行う」という実態とまったく異なる虚偽の設計図を用いて、趣旨説明が記されていたことが22日、都への取材で分かりました。

 なんと、高速道路や卸売市場など大規模な開発事業を実施する際に環境への悪影響を抑えるため建設前に義務付けられている「環境アセス」報告書が、技術的にでたらめであったのであります。

 これにより、現在提出されている評価書は当然無効、都は専門家会議の安全性の検証を踏まえて評価書を変更する方針を余儀なくされます、内容次第では手続きに1年以上かかることも想定され、築地市場の移転延期期間にはさらに長期化することが避けれない致命的な問題が浮上してきたわけです。

(参考記事)

環境アセスにも「盛り土を行う」と記載 大幅変更には1年以上も 豊洲市場への移転延期期間長期化か

http://www.sankei.com/affairs/news/160923/afr1609230001-n1.html

 さらに一部野党やマスメディアが展開している、本件に関する「非科学的」とも言えるような国民の不安を煽りまくる声明や報道も、事態を悪化させています。

 例えば17日付けしんぶん赤旗は、「豊洲たまり水にヒ素」と題して、日本共産党都議団の青果棟地下の空間で採取したたまり水の水質検査結果を発表しています。

 曰く、

猛毒のヒ素が土壌汚染対策法にもとづく溶出量基準(1リットル当たり0・01ミリグラム)の4割に当たる同0・004ミリグラム検出され、たまり水が地下水由来であることを明らかにしました。

豊洲たまり水にヒ素

共産党都議団発表 地下水に由来 より抜粋

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-17/2016091701_03_1.html

 なんのことはない今回の調査により判明したことは「当該の水は環境基準を完全に満たしており安全である」ことが確認されただけです、問題はまったく検出されていません。

 それを「猛毒のヒ素が環境基準の4割検出」とは、科学的誠実さが全く見られない極めて政治的な悪意な意図を持ち国民の不安を煽る表現であり、多くのTV報道もこれに追随するように、これでもかと非科学的な不安をあおる報道を繰り返しています。

 これでは「豊洲では猛毒のヒ素などが検出された」という事実だけがひとり歩きしその「安全性」は非科学的な風評により否定されてしまいます、現にマンション価格の低下など豊洲では根拠なき風評被害も起こり初めているようです。

 そもそも食品を扱う新市場において、「発がん性物質のベンゼン」、「猛毒のシアン化合物、ヒ素、六価クロム」などの単語が連日、煽るように「非科学的」な過剰報道がされているわけです、視聴者の中のメディアリテラシーの能力が低い人々が影響を受けてしまうのは仕方ないでしょう。

 これを受けて、ネットでは、例えば橋下徹元大阪市長などは、これは小池新都知事による空騒ぎである、科学的に豊洲には問題はないだろうと批判をしています。

(参考エントリー)

橋下徹2016年09月25日 12:25豊洲はどんだけ完璧にきれいやねん!!バカ騒ぎしたメディアはどう収めるのか - 9月25日のツイート

http://blogos.com/article/191670/

 エントリーで橋下氏は「これから豊洲の安全性がどんどん証明されてくるだろう」と指摘、「さあ、バカ騒ぎしたメディアがどう収めるか」と批判いたします。

豊洲問題。これから豊洲の安全性がどんどん証明されてくるだろう。地下水管理システムが稼働する前に、すでに地下に溜まっている水が飲めるほどの水とは、凄すぎる。さあ、バカ騒ぎしたメディアがどう収めるか。都庁の意思決定の問題、説明不足の問題、環境アセスの手続きの問題にすり替えるだろうね。

 ・・・

 まとめます。

 当ブログとしては、小池氏が「豊洲のパンドラ」の箱を開いたことを評価いたします。

 考えてみれば、私も含めて多くの都民・国民は、小池氏が新都知事にならなければこの「豊洲のパンドラ」の詳細を、知る由はまったくなかったことでしょう。

 その意味で、東京都の無責任体質が予想以上にひどく杜撰であったこと、設計変更の責任の所在すらなかなかつかみきれない自己管理能力の欠如が広く露呈したことは、小池氏の功績でありましょう。

 橋下氏などは、どうせ豊洲に移転するとなれば安全性に問題なくば速やかに移転すべきだと、この問題に議論が拘泥しても「空騒ぎ」に終わるだけであると主張します。

 政治的にはそのとおりなのかもしれません。

 限られた小池氏の政治的リソースは東京都予算などより重要なテーマにそそがれるべきであり、いたずらに豊洲移転時期を遅らすことは、風評被害などの悪しき副産物ももたらし「百害あって一利なし」なのかもしれません。

 しかし、ここは当ブログとして小池氏の対応を強く支持するものであります。

 小池氏は「もう20年以上も揉め続けていた『豊洲』というパンドラの箱。得体の知れない過去の利権や害悪がドロドロと流れ出る中、一方的に『劇場』の幕を下ろすのは簡単なことではない」(週刊新潮)ことは覚悟の上のことでしょう。

 多くの都民・国民はしかし、「得体の知れない過去の利権や害悪」をできうるかぎり出し切ることにこそ、今、小池新知事に期待をしているのだと考えます。

 小池さんはこの姿勢を貫いていってほしい、当ブログはこれでよいのだと強く支持をいたします。

 

(木走まさみず)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20160927/1474968493