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【首都スポ】

早大&帝京大のスポーツ新聞 両校の出雲駅伝出場チームを紹介

2016年9月27日 紙面から

 10月10日の第28回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)で、大学駅伝シーズンが本格開幕します。今回の大学スポーツ紙競演企画では、その出雲駅伝に出場する2校から、帝京スポーツと早稲田スポーツが選手・チームを紹介します。

◆早稲田スポーツ 平主将が引っ張る

 「学生三大駅伝全てで3位以内、そのうち一つは優勝」。今季長距離ブロックが掲げた目標だ。「三冠」を志した昨年からは下方修正したかたちだが、駅伝戦国時代といわれる今、この目標を達成することは決して容易なことではない。

 近年はエース不在がささやかれてきた早大。流れを変える絶対的エースと呼ばれる存在が、大迫傑(平26スポ卒=現ナイキ・オレゴン・プロジェクト)の卒業以降、出てこなかった。

 しかし、今季は春先から上級生が躍動。平和真駅伝主将(スポ4=愛知・豊川工)が関東学生対校選手権で1部5000メートル日本人1位に、井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)も同大会ハーフマラソンで銀メダルを獲得した。日本学生対校選手権でも1万メートルで武田凜太郎(スポ4=東京・早実)が日本人1位の快走。複数エースの誕生を予感させるトラックシーズンだった。特に、5000メートル・1万メートルでチーム内トップの記録を持つ平には大きな期待がかかる。

 中間層も充実している。昨年学生三大駅伝を経験したメンバーに加え、ラストシーズンに才能を開花させた鈴木洋平(スポ4=愛媛・新居浜西)や、今季初めて対校戦に出場した石田康幸(商3=静岡・浜松日体)らは即戦力となりうる。1年生では、新迫志希(スポ1=広島・世羅)が5000メートルチーム内ランキングで2番手につけ、3000メートル障害が専門の大木皓太(スポ1=千葉・成田)は出場した全ての対校戦で入賞中だ。勢いに乗るルーキーたちにも魅力がある。

 複数枚のエース候補と、それに劣らない中間層たち。今季の早大はまさに理想的な布陣と言って良いだろう。各大学の力が拮抗(きっこう)している現在だが、混戦を抜け出す力は十分にある。

 スピード駅伝と評される出雲全日本大学選抜駅伝。伝統的に長い距離に強いといわれる早大だが、今季は各学年にスピードランナーもずらりとそろえた。戦力は文句なし。勝負のポイントは、エース級の走りを体現できる選手が何人現れるかだ。エンジのプライドを懸け、まずは初陣たる出雲に挑む。 (平野紘揮)

◇筆者のひと言

 平野紘揮(ひらの・こうき、法学部3年)

 「早稲田スポーツ新聞会では競走部取材班の担当者を務めています。自身が長距離経験者ということもあり、三度の飯より駅伝が好き。『三冠』達成の時から早大競走部のファンでした。自分には競技力がなかったので、大学で陸上を続けるのは難しかったのですが、憧れ続けた学生三大駅伝に記者という形で関わらせていただけることを誇りに思います」

<早大の三大駅伝成績(出場回数は今季を含む)> 出雲=24回目(優勝2回)、全日本=22回目(優勝5回)、箱根=86回目(優勝13回)

◆帝京スポーツ 期待の快速ルーキー岩佐、創部初シード獲りに疾走

 今年1月の箱根駅伝で総合10位に入り、シード権を獲得した本学にこの春、期待のルーキーが加入した。彼の名は岩佐壱誠(医療・1)。持ち味の粘り強さとスピードを生かし、入学後のデビュー2戦目となる日体大記録会では、5000メートルに出場し、14分17秒といきなり自己ベストを更新した。

 そして、自らが成長できた大会として挙げたのは6月18日に行われた全日本大学駅伝予選会。「初めての公式戦でプレッシャーがあったが、先輩についていき、ミスをしない走りを心掛けた」。その結果、先頭集団に食らいつき、個人11位と健闘。恐れを知らないルーキーの活躍は2年連続の本戦出場に大きく貢献した。初めての夏合宿では1日最大30キロの走り込み、スタミナ強化を図った。「合宿を重ねていくにつれ、徐々に周りのペースが上がっても余裕を持って走ることができた」と手応えを感じている。

 徳島県出身。中学時代は剣道部に所属し、県大会3位に輝いた異色の経歴を持つ岩佐。地元の郡市対校駅伝に出場したことがきっかけで、徳島科学技術高校に進学した。全国高校男子駅伝では3年連続で主要区間である1区を務めた。多くの大学から誘いを受けたが、「最初に顧問を通じて誘いを頂いたので、うれしかった」という思いから本学に進学することを決めた。目標とする選手は、昨年のユニバーシアード大会に出場し、ハーフマラソンで銅メダルを獲得した高橋裕太前主将(平成27年度卒業=現大塚製薬)。「将来は大塚製薬に入って、世界で戦える選手になりたい」と語り、自身の夢へ着々と歩みを続けている。

 3年ぶりの出雲路に帰ってくる本学。「スピード勝負には自信がある」と初めての三大駅伝初戦へ挑む。高校からの大会前の験担ぎで「カロリーメイトを食べて、ポカリスエットを飲む」と笑顔で話す岩佐。チームに新しい風をもたらし、創部初となる6位以内のシード権獲得へルーキーの活躍が欠かすことができないだろう。 (小岩井翼)

◇筆者のひと言

 小岩井翼(こいわい・つばさ、文学部3年)

 「練習場を訪れると、選手たちは監督を中心にマネジャーやトレーナーとともに考えた練習メニューを真剣にこなしている。その姿勢に私は感動し、他大学には負けていないと感じる。春のトラックシーズンから夏合宿へとさらに厳しい練習に耐え、成長してきた選手たち。3年ぶりの三大駅伝へ向かう勇姿を目に焼き付け、私はエールを送り続ける」

<帝京大の三大駅伝成績(出場回数は今季を含む)> 出雲=7回目(最高成績00年8位)、全日本=9回目(最高成績01年&10年10位)、箱根=18回目(最高成績13年4位)

    ◇

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