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【プロ野球】

日本ハムM1 きょうにもV 大谷、過酷連戦で超人的活躍

2016年9月27日 紙面から

オリックス−日本ハム 6回のピンチを切り抜けた日本ハム・鍵谷(30)を出迎える大谷(左)=京セラドーム大阪で(高部洋祐撮影)

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◇日本ハム4−3オリックス

 大谷強行出場でリーグ優勝王手−。首位日本ハムは26日、オリックス戦(京セラドーム大阪)に4−3の辛勝。ソフトバンクがロッテにサヨナラ負けしたため、優勝へのマジックナンバーが2つ減って「1」となった。「3番DH」で出場した大谷翔平投手(22)が2点目をたたき出す右前適時打で奮闘。27日に日本ハムが西武に勝つか、ソフトバンクがロッテに負けるか、あるいは両チームとも引き分けると、日本ハムの4年ぶりの優勝が決まる。 

   ◇

 ついに王手をかけた。オリックスに薄氷の勝利を収め、ガッツポーズをした大谷は、そのまま選手ロッカー室のテレビでソフトバンク戦の動向を見ていた。敗戦が決まると「ヨッシャー」と再び雄たけびを上げた。

 待望のマジック1。「あした(27日)勝って、早く決めたい。しっかり決められれば、それでいい」。27日の西武戦で初体験の優勝を決めると誓いを立てた。

 21日のソフトバンクとの直接対決を皮切りに、集大成の8連戦を迎えている。福岡、札幌、大阪、所沢と移動を繰り返し、デーゲームも3試合はさんでいる。緊張感に満ちた戦いに、旅と昼夜が入れ替わる疲労がのしかかる。さらに大谷には特別な負担も…。

 リアル二刀流の翌日にも野手として出場し、欠場は23日のみ。さらにこの試合は“禁じ手”ともいえる強行出場だった。25日の札幌ドームでの楽天とのデーゲームの後、当初は大阪へ移動予定だった。だが、延長11回、3時間48分の長時間ゲームになったため断念し、この日の午前に移動した。

 当日試合の疲労を考慮し、大谷を休ませるプランも考えた栗山監督だが「今年の展開で、次のことを考えたら失礼。選手が倒れようがいく」と3戦連続でのスタメン起用に踏み切った。

 すると大谷は期待に応えた。1点リードの6回無死二塁。東明の初球、フォークをしっかり捉え、右前へ運んだ。2試合連続適時打。三塁ベンチに向かい左拳を突き上げた二刀流は「初球から打ちにいく方がピッチャーは嫌だと思う。打てるボールをチョイスした」と技ありの一打にしてやったりだ。

 この連戦で投げては8イニング1失点、打っては打率3割5分、2打点。4年ぶりの優勝へ、必死にチームを引っ張っている。27日は大阪から所沢へ。2試合連続の移動試合となるが、野手での先発出場が有力だ。

 「最近、いいところで打てている。最低限の仕事をしていければいい」。相手はエース岸。攻略へ力を込めた二刀流。ソフトバンクが負けても、両軍引き分けでもVは決まる。だが、大谷が考えているのは勝利のみ。一気に決めて、初めてのビールかけで大はしゃぎする。 (水足丈夫)

 

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