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風俗嬢として稼げるのはクラスで何番目にかわいい女の子までか――『日本の風俗嬢』(8)

 AKB48のコンセプトは「クラスで5番目くらいにかわいい女の子」を集めたグループだという説があった(実際にはプロデューサーの秋元康氏は、「1番かわいくなくても、何か1番を持っている子を集めた」と語っているようで、別に「5番目」を集めたわけではないのだが)。AKBはともかくとして、最近のアイドルの中には、明らかに「クラスで1番」には見えない、かなり「普通の子」に近い容姿の持ち主もいるような観はある。

 さて、それでは現在、競争が厳しいとされている風俗業界の場合、どのくらいの容姿の女性までが「就労可」なのだろうか。『日本の風俗嬢』(中村淳彦・著)には、「2014年版各種性風俗採用の難易度と給与」という表が掲載されている。

 この表によると、クラスで1番かわいいくらいの女性ならば、「単体AV女優」になることも可能で、その場合のギャラは1本40万~100万円。それよりも少し劣ると「企画単体AV女優」(1日12万~25万)「高級デリバリーヘルス」(60分2万円以上)となる。

 では、ごく普通のルックスの場合はどうか。

「一般的な見た目、無駄な肉のないカラダ、胸がBカップ~Cカップという場合、就職できるのは、地方のファッションヘルスあたりです」(中村さん)

 この場合は40分5000円くらいの収入となる。ちなみに、わざわざ「地方」と限定しているのは、都市部と採用基準やギャラが異なるからだ。

「時給5000円以上なら大もうけじゃないか」なんて思うのは早とちりというもの。実際には、ひっきりなしに客がつくわけではなく、また肉体的にもそうたくさん数をこなすこともできないので、このクラスの仕事となると、週4日勤務で月収は20万円台でもおかしくないのだ。

「風俗は荒稼ぎできる仕事」というのは、もはや幻想で、中村さんによれば1990年代までの話。その頃と比べると、現在風俗嬢の収入は半減しているという。

 つまり、結論として、「ごくごく普通の子」でも風俗で働いて生活費くらいを稼ぐことは不可能ではない。が、決して濡れ手に粟とはいかないという厳しい現状なのである。

「まだまだ風俗は社会的に負の烙印をおされる仕事です。高収入を得られる見通しが立たないならば、風俗ではなく別の道を探すべきだと思う」と中村さんは語っている。

デイリー新潮編集部

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