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  ▽抑留・引き揚げ資料の世界記憶遺産登録1年

 舞鶴市の抑留・引き揚げ関連資料のユネスコ世界記憶遺産登録1年を記念して、市は26日、「記念月間」となる10月の事業を発表した。国内5カ所の記憶遺産を紹介する特別企画展やミュージアムトーク、記念フォーラムが予定されている。

 特別企画展は2日から来年1月15日まで、同市平の舞鶴引揚記念館で開催。福岡県田川市の山本作兵衛の炭坑記録画コレクションから10点(レプリカ)をはじめ、同時期にユネスコ世界記憶遺産に登録された東寺百合文書の文書4点(同)、御堂関白記、慶長遣欧使節関連資料のパネルも並ぶ。舞鶴からも抑留体験画や抑留者・北田利さんと帰国を待つ日本の家族にまつわる資料各7点が展示される。

 ミュージアムトークは記念館で毎週日曜日の午前11時から約40分間、同館の長嶺睦学芸員や舞鶴・引揚語りの会の宮本光彦理事長らが語る。16日には田川市の石炭・歴史博物館の安蘇龍生館長が特別参加する。いずれも入館料が必要。

 記念フォーラムは10月15日午後1時から、舞鶴市浜の市商工観光センターで開かれる。日本ユネスコ国内委員会「世界の記憶」(記憶遺産)選考委員の芳賀満・東北大教授や舞鶴市の有識者会議会長の黒沢文貴・東京女子大教授が講演。東舞鶴高校生による紙芝居や、市内中高生による合唱もある。入場無料だが先着50人で申し込みが必要。

 舞鶴市は今年から記念館の2期整備事業に着手。資料の収蔵庫、企画展示室に加え、抑留生活体験室の設置を計画。開館は2019年を目標にしている。多々見良三市長は26日の会見で「登録により予想以上の反響があった。今後も継続的に記念館に来ていただく仕掛けを考えたい」と話している。問い合わせ、申し込みは舞鶴引揚記念館(0773・68・0836)。