やさしい献立
コラム高齢者の食事のお悩み

- 先生: 山田晴子 やまだ・はるこ
- 1986年日本女子大学大学院修了。栄養士。介護食アドバイザー通信講座などで指導を行っている。研究分野は、高齢者・小児歯科栄養学。
11月号 / 第2回 食事のお悩み 〜食べにくさを改善するには?〜
2014
「噛みにくいタイプ」と「飲み込みにくいタイプ」。タイプ別の策をとりましょう。
食べにくいと感じる原因は、「噛みにくさ」と「飲み込みにくさ」の2つ。まずは、あなたはこのどちらに当てはまるのかをチェックしてみましょう。(1)食べるのが億劫になったものがある
(2)今まで普通に食べられていたものが噛めない
(3)噛むのに時間がかかる
(4)口の中に入った食べものがなかなか飲み込めない
(5)舌の上が白い
(6)食事中にむせやすい
(7)食後にせき込む
(8)飲み込みにくい食べものがある
(9)飲み込んだあとに口の中に食べものが残る
(10)口の中に唾液(つば)がたまる
(11)痰がよくからむ
(12)食後にガラガラ声になったりかすれ声になったりする
(1)~(5)に1つでも当てはまったら→「噛みにくいタイプ」と考えられます。
(5)~(12)に1つでも当てはまったら→「飲み込みにくいタイプ」と考えられます。
(1)~(5)に1つでも当てはまり、かつ(5)~(12)に1つでも当てはまったら→「噛みにくく飲み込みにくいタイプ」と考えられます。
タイプがわかったら、次はそのタイプに合った以下のような対策をとりましょう。「噛みにくく飲み込みにくいタイプ」に該当した人は、両方の工夫を取り入れてみてください。
噛みにくいタイプの人は…
●やわらかい食材を選ぶ
●やわらかく加熱する
●噛み出すきっかけの切り目を入れる
●野菜は繊維を断つ方向に切る
●噛みやすい厚さ(5~8mm厚さ)にする
●とろみをつける
●パサパサしたものはしっとりさせる
飲み込みにくいタイプの人は…
●やわらかく加熱する
●ゴックンと意識して飲み込める大きさに切る(5~8mm角)
●とろみをつける
●パサパサしたものはしっとりさせる
●むせないように冷ましてから食べる
●汁ものの汁と具は別々に食べる(飲み込むタイミングが違うため)
●首を縦に動かしてうなずきながら飲み込む
これらの工夫をすることでおいしく食べてほしいと思う一方で、やわらかいものばかりを食べてはだめという注意点もあります。なぜならば、やわらかいものばかりを食べていると唾液(つば)が出にくくなってしまうからです。
食べものは口の中で唾液と混ざり、「食塊(しょくかい)」という食べものの塊(かたまり)を作りますが、それによって人はうまく飲み込むことができます。つまり、唾液が十分に出ていることが、飲み込みやすさを手助けすることにつながるのです。
また、第1回でもお話ししたように、唾液が出にくくなると口の中が汚れやすく、菌も繁殖しやすくなってしまうという点でも唾液の分泌を促すことは大切です。
なお、ここで紹介した工夫はごく一部です。詳しい方法は、毎月更新の「今月の献立」に掲載しているので、ぜひご覧になって参考にしてください。
参考文献
『絵で見てわかる かみやすい飲み込みやすい食事のくふう』(女子栄養大学出版部)