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【政治】

所信表明「改憲提案は議員の責任」 首相、発議まで踏み込む

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 第百九十二臨時国会が二十六日召集され、安倍晋三首相が衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。改憲について「決めるのは国民。その案を国民に提示するのは、国会議員の責任」と与野党に改憲発議に向けた議論を促した。第二次安倍政権の発足後、首相が国会で基本方針を示す所信表明、施政方針の両演説で、国民投票で賛否を問う「改憲案」の提示に踏み込んだのは初めて。

 国会では、七月の参院選を経て自民党などの改憲勢力が衆参両院で三分の二以上の議席を占める。改憲を目指す首相はその数を背景に、参院選後、初の本格論戦の場となる今国会の冒頭で「与野党の立場を超え(両院の)憲法審査会での議論を深めていこう」と改憲議論の加速を迫った。

 首相は第二次政権以降、所信表明と施政方針の両演説では、改憲について「国民的な議論を深めよう」などと訴える程度で、具体的な手順には言及してこなかった。国会質疑や記者会見でも、聞かれれば答える受け身の姿勢が基本だった。

 首相は今回の演説では、締めくくりで改憲に触れ「決めるのは政府ではなく国民」と、承認するかどうかは国民投票にかかっていることを強調。国民への改憲案の提示、すなわち改憲の発議が「国会議員の責任」と指摘した。 (古田哲也)

 改憲原案と改憲案 衆院なら100人以上、参院なら50人以上の賛同を集めて、まず「改憲原案」をどちらかの院に提出する。改憲原案は両院の憲法審査会で審議され、いずれも過半数の賛成で可決され、本会議にかけられる。

 本会議では各院の全議員の3分の2以上の賛成で可決となり、国民投票にかける「改憲案」が発議される。改憲案は発議から60〜180日間かけて国民に周知し、国民投票で有効投票の過半数の賛成で承認となり、改憲が成立する。

 

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