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武雄市の「温泉村」で創生事業が始動

山本 恵久【2016.9.26】

 ウェブサイト制作などを手掛けるスマートデザインアソシエーション(福岡市)と、民間資本によるまちづくり会社のまちづクリエイティブ(千葉県松戸市)は9月14日、2社で構成する保養村プロジェクト委託業務JVが、佐賀県武雄市における地域創生プロジェクトの1つ「武雄温泉保養村資源活用プロジェクト」を業務受託したと発表した。

 同プロジェクトは、武雄市街地の南東部に広がる約100haの武雄温泉保養村の活性化を目的とする。同地に固有の自然環境や文化環境を読み解き、情報発信やイベント開催などの活動を多面的に展開する。

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武雄温泉保養村は、1300年の歴史がある武雄温泉の市街地の南東側、緑に囲まれた池の内湖(ため池)を中心に広がる(写真:武雄市)

 市は、2015年10月に「武雄市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定している。2020年の推計人口(国立社会保障・人口問題研究所)が4万7694人のところ、2019年度に人口4万9000人、また市民所得の10%アップという目標を掲げ、仕事の創出、子育て・教育環境の整備、国内外からの誘客展開などを進める考え方だ。

 その基本理念に基づき、2社は、同プロジェクトを推進して武雄温泉保養村における交流人口の増加を図る。2015年度にはアンケートを活用したマーケティングや資源活用調査、ワークショップを開催。それらを踏まえて今回、滞在体験プログラムや、仮設物を使った広場の価値向上、PRイベントなどの計画を提案している。あるものを生かし、新たな資源を発掘することによって「来てもらう・住んでもらう」まちづくりに向けた取り組みに乗り出す。

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武雄温泉保養村内の池の内湖と、ほとりに建つ佐賀県立宇宙科学館「ゆめぎんが」(設計:佐藤総合計画)。ゆめぎんがは1999年にオープン。2015年7月にリニューアルオープンしている(写真:武雄市)

 今回、経済的な持続性を志向し、ビジネスマインドを持って地域づくりを進めてきた2社の協働が実現している。スマートデザインアソシエーションの代表取締役CEOは1976年生まれの須賀大介氏。東京から福岡にIターン移住した経験を生かして2013年に任意団体「福岡移住計画」を立ち上げ、会社経営と併せて移住者のサポートを推進してきた。また、まちづクリエイティブの代表取締役は1977年生まれの寺井元一氏。2010年に松戸駅前エリアを拠点とする現在の会社を設立し、国内外のクリエイター層の誘致によってまちの活性化を目指す「MAD Cityプロジェクト」に取り組んできた。

 2016年度「武雄市まちなみ創造加速化事業」を受託しているまちづクリエイティブと市は今年7月に既に、北部市街地エリアで地域創生プロジェクト「TAKEO MABOROSHI TERMINAL」を始動させている。まちづクリエイティブの強みを生かし、誘致したクリエイターと地場産業の担い手が共同する場を提供するクリエイター・イン・レジデンス事業の展開などを予定する。リノベーションやDIYによって古い建物を再活用し、観光振興と定住者獲得のバランスを見極めながら、同地を西九州エリア随一の「文化の港町」とする構想だ。9月14日には公式ウェブサイトがオープンしている。

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