【ニューヨーク=高橋里奈】シリアのムアレム外相は24日、国連総会の一般討論演説で、米軍主導の有志連合による17日のシリア政権軍拠点の空爆は「誤爆ではなく意図したものだ」と指摘、「可能な限り最も強い言葉で非難する」と訴えた。「この卑劣な侵略行為は明らかに米国と有志連合が過激派組織『イスラム国』(IS)とその他の武装テロ組織と共犯であることを証明している」とまくし立てた。
有志連合は17日にシリア東部デリゾールで空爆を実施し、シリア政権軍の拠点を攻撃したとされる。米ロが合意した一時停戦が12日に発効していたが、ロシアが支援する政権側と欧米が後押しする反体制派の対立は収まらなかった。
またサウジアラビアとカタールがシリアに最新鋭の武器や数千人規模の雇い兵を流入させ、「あらゆる方法でテロを支援している」と非難。トルコも「国境を開いて世界中から数万人のテロリストを送り込んでいる」と訴え、対決姿勢を隠さなかった。
ムアレム外相は5年以上続く内戦と人道危機を終わらせるため、政治的解決に前向きな姿勢も示した。