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【外交・安保取材の現場から】「G20熱烈歓迎」と言いながら中国・杭州は人っ子一人いなかった 記者のホテルには巨大な姿見が…

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【外交・安保取材の現場から】
「G20熱烈歓迎」と言いながら中国・杭州は人っ子一人いなかった 記者のホテルには巨大な姿見が…

G20開催前には、小銃を手に警備する武装警察隊員らの姿も見られた=9月1日(共同) G20開催前には、小銃を手に警備する武装警察隊員らの姿も見られた=9月1日(共同)

 試しに日本から持参した携帯用のWi-Fiルーターを使って現地の通信会社経由でネットにアクセスしてみると、こちらはグーグルなど欧米サイトへのアクセスは不可能。あくまでも、一時的、限定的な措置のようだ。中国駐在の本紙記者によると、「訪中した外国人記者に便宜を図ったのではなく、閉鎖的なネット空間という中国の現実を隠そうとしたのではないか」という。要はメディアを通じて、中国の通信状況はダメ、という情報が流れるのをかわしたかっただけ、ということか。

 ただ、今回の取材では電話での通話もスムーズだった。中国との国際電話というと、1分もしないうちにブツブツといきなり切れるのが当たり前だったが、今回はそれもない。昨年10月、同僚記者が中国・北京を取材のため訪れた際には1分どころか、つながったと思って「もしもし」といっただけで切れることもあり、10秒も持たなかったのに、今回は出稿の打ち合わせもきちんとできた。産経新聞記者の電話は中国当局に傍受されているから、ブツブツ切れるなんてウワサもまことしやかに語られるが、今回ばかりは様子が違った。

 が、こうしたメディアや関係者への好待遇とは裏腹に、杭州の街中は閑散とし、あちらこちらで小銃を持った武装警官がにらみをきかせていた。人影が見えないのは、各国首脳や政府関係者らの移動をスムーズにするためとして、杭州市当局が企業や学校をG20の前後を含め9月1日から7日まで休みにしたからだそうだ。街中にはG20の開催を祝う旗が寂しくはためき、不都合な真実は覆い隠して表面を取り繕った感はやはり否めない。

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