少し前のことだけど、3月6日に京都で「医療経済白熱教室」という完全に名前まけの講演をしてきた。笑
数年前に流行ったなぁ、笑。サンデルさんだっけ?
演者は、私、SOSHIこと岡本宗史と顔の大きさ29cmの相方、山本章太くん。
しゃべることが大好きなわれわれ二人組み。
与えられた120分の時間、、
気づけば180分、ほぼノンストップで話してた!笑
時間管理なさすぎ。
まぁ、岡本・山本をダブルで招待したことが間違いだわ。
ま、ともあれ、聞き手の皆さんは結構な満足度だったみたいで、何より。
やはりもともと意識が高いレベルに話すのはとても気持ちいい。
具体的な内容としては、僕が「日本経済と医療経済の概論」を話し、山本が「ヘルスリテラシー」についてと二部構成なり。
山本の「ヘルスリテラシー」については、また後日紹介するとして、今回は僕が話してきた内容を一部ご紹介します。
ちょっと量が多くなるので、二回にわたってあげていくので、
医療者の方もそうでないかたも要checkでよろしくー
さ。て。
まず日本の医療費についてどんなイメージだろうか?
高い?安い?
というか、現在、日本の医療費がどれくらいかわかる人はどんなもんだろう??
実は、日本の医療費はなんと40兆円をついに突破!
国民医療費、初の40兆円超 13年度確定値2.2%増
2014年の日本の税収が52兆円くらいだから、僕らが稼いでせっせと払っている所得税、法人税、消費税、すべて合わせた金額の約80%が日本の一年の医療に使われているってわけ。。
まじどーすんの、これ、涙
もちろん、国から支払われている医療費はそのうち10兆円強くらいなんだけど、
・高齢化社会
・医療技術の進歩、高度化
を考えると、これから一層膨張していくのは火を見るより明らかなとこで。
2016年度の診療報酬改定で診療報酬が全体でマイナス査定になったのも仕方ないと思うかもしれない。
医療 診療報酬8年ぶり下げ
これはこれで、医師の診察料自体は+0.49%と今年の参院選に向けて医師会をバリバリ意識した絶妙な落とし所な感じがするんだけど。。
しかし、医療費そのものだけを見ていても比較はできないわけで、
国の経済規模の指標であるGDPの中での比率で考えないと見えてこないわけであります。
そこで、OECD各国と比較すると以下のように。
おやおや。実は、GDPにしめる医療費支出を考えると、他国と比較し、日本が突出して医療費が高いわけではないじゃないか。
我らがUSAさまのほうがぶっちぎりで高い。
では、問題ないのか?
アメリカのほうがよっぽど大変!?
いや。実は1つ、からくりがあるわけでして...
何だかわかる??
勘がいい人ならすぐ分かると思うけど、あくまでこの医療費というのは総額であって、単価あたりの医療費ではないわけだ。
つ。ま。り。
医療費(total) = 1回受診あたりの医療費の単価 × 受診回数
という単純な方程式があるわけで、これを考慮すればとても面白いことが見えてくる。
その話を掘り下げる前に。
少し話は変わるけど、よく日本は医者が足りない!と耳にすることが多いと思う。
それは、医療がユニバーサルでなくなる、医者を増やそう!という動きで、
2017年度から新たに成田に医学部が新設されることになった。
成田に国際医療拠点 政府、38年ぶりに医学部新設へ
では、本当に医者は少ないのか?
とうことで、人口あたりの医師の数を比べてみた。
確かに、国の人口の割合と比較して、医師数は決して多い方ではないけど、かといってめっちゃ低いわけでもなさそう。
インドのほうがよっぽどひどい。
しかし、これを少し見方変えて、だ。
医師数:人口比でなく、医師数:〇〇比
としてみたら、一気に状況が変わってきます。
さて、〇〇に入るのはなんだと思う?
実は、、、
患者数
がアンサー。
これは、一人の医師が診察する1日の外来受診回数
ご覧のように、他の国と比べてもほぼダブルススコアで多いわけ、涙。
まぁ、お隣の韓国さん、もっと酷いですがw
つまり。
ここが大切なフレーズなんだけど、
日本は医師が少ないのではなくて、患者が多すぎ!!
ってこと。
さらに、一人当たりの受診回数もご覧のようにぶっちぎりで多い。
ま、お隣の韓国さん、もっと酷いですがw
では、なぜ日本では、こんなに患者数も、また一人の受診回数も多いのか?
それは、だ。
先ほど、
医療費(total) = 1回受診あたりの医療費の単価 × 受診回数
という単純な方程式をあげたけど、今までの話の内容から、
・totalの医療費は他国と比べて平均くらい
・受診回数は圧倒的に多い
というわけで、そこからはじき出されてくる答えは、そう。
医療費の単価が安すぎる!!
ってことです。
ここ、めちゃ強調ポイントなんで、もう一回いっとく!
せーの!(笑)
医療費の単価が安すぎる!!
そういうことなんです。
さらに、日本はみなさんご存知、国民皆保険。
窓口で払う医療費は3割であり、後期高齢者に至っては1割。
少し見づらいが、医療費の公的負担率は、社会福祉国家並みであることが分かる。
ただでさえ、単価あたりの医療費が安いのに、それに輪をかけて個人の負担する実費は一層低い。
これは多くの日本人が認識していないけど、とても重要あ事実です。
僕は、日本にヘルスリテラシーが根付かないのも、
日本の医療問題の根幹も、
すべてここに集約されていると考えているわけで、、
まぁ、その理由や、考察は次回ということで。
もう少し短めにするつもりだったのが、一気に書き上げたので疲れた、笑。
ふぅ。
ではー!