「入社4ヶ月で退職を決意」「商社から社員5人のベンチャーへ」経営者らが振り返る20代の転機
成長著しいベンチャー企業の経営陣は、どのようなキャリアを歩んできたのか。新卒で入った会社を辞める決断をした“20代の転機”と新しい環境を選んだ理由をまとめました。
- スピーカー
- 株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田晋 氏
株式会社サイバーエージェント 取締役人事本部長 曽山哲人 氏
Retty CFO 奥田健太 氏
PR Job Board
大企業に入ると辞めるきっかけを失う
サイバーエージェント・藤田晋氏は、入社1年目でインテリジェンスを辞めて24歳で起業した経緯を振り返りました。
24歳の時に会社を作ったんですけれども。大学を卒業して1回就職して、そこから1年で辞めて起業したんですが。
僕の場合すごくよかったのは、まず大学に入学するために、受験勉強を半年ぐらいかなり集中してやって、一気に一時的に上がった学力で青山学院大学に入学したので、学歴がそんなに惜しくなかったんです。
就職も大学の偏差値のように高い大企業を受けるのではなくて、ベンチャー企業を中心に就職活動をして。当時80人ぐらいしかいなかったインテリジェンスという会社に就職したんですが、そこに就職したことを捨て去るのにもぜんぜん戸惑いがなかった。
だから、学歴も職歴もとくになくて、1年で辞めて起業する時は、確かにリスクはとても大きかったんですけれども、失うものがなにがあるかというと、大したものはないなと。
(中略)
これが本当に日本の人気企業、大企業に、例えばフジテレビとか当時すごく人気だったんですけど、就職できていたら、まず辞めなかったと思うんですよね。
電通とか、僕が考えてるところでとても素晴らしい会社に。そうすると、もう辞めるきっかけを失って、今の僕の人生はなかったはずなので、そういう意味ではすぐに辞められるベンチャー企業に就職してよかったと思います(笑)。
引用元 CA藤田晋氏「すぐ辞められるベンチャーに就職してよかった」 入社1年で退職し、起業の道を選んだあの頃
とにかく伸びる分野に行くのが一番大事
伊勢丹からサイバージェントという異色のキャリアを持つ曽山氏は、20代で身を置くべき“成長環境”の重要性を説きました。
一番大きな転機は何かというと、やっぱり伊勢丹を辞めると決めたときが一番大きかった。
私は4月に入って、5月に「なんかおかしい」と思って、いわゆる五月病にかかって8月に辞めることを決めて。4ヵ月でね(笑)。そして12月に言って怒られて、3月31日に辞めたという感じだったんですけど。
何が違うかと言うと、伊勢丹自体はすごくいい会社だと思いますし、今でも業績は伸びてるので、大好きな仲間もいる前提ですけど。
当時、入った瞬間に何があったかと言うと、毎週会社の業績が紹介される朝礼があったんですよ。そこで毎週の店舗別の売上を発表するんですけど、それが前年比を割ってる、つまり100%以下で、先週は98%でした、先週は97%というふうに、去年より売上が少ないですという報告がたくさんあったんですね。
「成長したくてこの会社に入ったのにおかしい」と言って。会社の中でも「なんで俺らこんなにやってんのに成長しないんだっけ?」と。
いろいろ悩んだ結果、インターネットの通信販売をやったときに、バカ売れしたわけです。これがバカ売れしたのは理由があって。
私がいた部署は、スーパーメンズという、身長が190cm以上か、ウエストが100cm以上の……例えばポール・スミスとかDKNYのLとかLLじゃなくて、4Lとか5Lというのがあるんですよね。ズボンの片足に余裕で入れちゃうくらいの。
それをインターネットで売ったら売れたんですけど、それは新宿の、東京の伊勢丹しかなかったんですよ。だから日本中から、買う理由があるんですよね。
「ネットってすげー! ネットは伸びる」と思って、サイバーエージェントに入ったんですけど。やっぱり転機となるポイントでみなさんにシェアしたいのは、伸びる分野に行ってほしい、成長分野に行くということはものすごく大事です。
どんなにいい会社でも、有名な会社でも伸びなかったら意味ないので、その産業が伸びるかというのはすごく大事。
引用元 とにかく伸びる分野に行くのが一番大事–ベンチャー経営者らが語る自らの転機
1ミリの迷いもなく大手商社からベンチャーへ
Retty・奥田氏は、大手商社から当時5人でスタートしたベンチャーへの転職を決めた理由を語りました。
僕はけっこうシンプルです。高校3年から大学生ぐらいのなかで、サッカーを真剣にやっていて、本当にサッカーのことだけ考えていて、どうやってプロになろうかということをずっと考える生活をしてきました。
やっぱり仕事をしても、「あの瞬間を超えるような仕事をしたいな」と思っていて。要は、自分の人生の全部の時間とマインドシェアを根こそぎ持っていって、でもそれが超楽しいみたいな、そういう仕事じゃないとやってる意味がないなと思っています。
そういう仕事の仕方がしたいなと思って商社に入っていって、商社の仕事もすごくエキサイティングでしたし、一緒に働いてる人も、今でも尊敬してるんですけど。とはいえ、そのサッカーをやってたときのレベル。土日も含めて自分の全部の時間を、そのことしか考えたくないみたいなレベルにはいってなかったんですよね。
「じゃあ、どういう仕事になるんだろうな?」と思ってフラフラしてたときに、たまたまマンションの1室で5人ぐらいでやってる、怪しい会社というとあれなんですけど(笑)、よくわからないグルメサイトを作ってる会社に飛び込んでみた感じです。
もう本当に1回行って、土曜日丸1日いただけで、「あ、これだ!」って感じになったんですよね。
あとから振り返って、僕の性格的にどういうことが大事だったのかなと思うと、自己決定権みたいな、圧倒的に大きな、自分で決めることと、その責任を自分で負えることというのが。
三菱商事で2,000億の投資をしてそれに何十人かで関わる感覚よりも、5億円かも1億円かもしれないけど、自分たちが決めて、そのリターンが全部自分たちに返ってくる環境で仕事をしないと、サッカーをやってたときの、あの魂がふれる感覚というのは持てないなということがわかりましたね。
そういう瞬間にたまたま会えたというのがあったので、本当に1ミリの迷いもなく、すぐに転職しました。
引用元 三菱商事の退社に迷いなし Retty奥田氏が語るベンチャーの魅力
20代を過ごす環境は今後の人生に大きな影響をあたえます。周りの意見に流されることなく、直感を信じて新しい環境に飛び込んでみるのもいいかもしれません。