三菱の国産ジェットMRJ、米国協定で重量オーバー!応急で軽量化


 三菱航空機が開発している小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」(88席クラス)の米国航空会社納入分の機体に関し、重量をさらに削減する計画であることが23日分かった。現行のMRJは、米航空会社とパイロットの労使協定による機体の重量制限を超えており、このままでは営業運航ができない恐れがでてきたため。すでに納入契約している機体の解約を回避するため、搭載燃料や座席数の削減、機体の一部を改善して対応する。


 米国では地域の航空路線を対象にした重量制限協定がある。使用できる機体の重量制限を設け、地域路線への委託増加や機体の大型化を防ぐことで、航空会社のパイロットの雇用を守ることが狙い。


 これまで三菱が受注した447機のうち、300機が協定に該当している。具体的には米スカイウエストの200機、米トランス・ステーツ・ホールディングスの100機で、両社とも米航空大手から地域路線を受託しており、この協定が適用される。


 協定によると、最大離陸重量は乗客を含め39トン。しかしMRJは39・6トンあり、600キロ超過していた。ライバルのブラジルのエンブラエルの同クラスの機種も重量を超過しており、協働して制限緩和を期待していたが、納期が近づいてきたため重量の削減を決めた。

 関係者によれば、前述航空2社と、搭載燃料や座席数の削減、貨物制限による対応などを協議し、重量を削減する方向だ。

 ただ、それでも重量削減のめどが立たない場合は部品を軽量化するなど、設計を一部変更する必要がある。その場合は安全性を認証する「型式証明」を追加取得しなければならず、納期が遅れる可能性もある。


 MRJは約半世紀ぶりの国産旅客機だが、すでに4度も納期を延期している。平成30年半ばにANAホールディングスに初号機を引き渡す予定。同年中にSWとTSHにも引き渡す計画だが、両社との契約は半数がキャンセル可能になっており、納期が遅れればキャンセルされてしまうリスクが高まる。

(産経新聞 824()755分配信より引用編集)


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MRJhttp://www.flythemrj.com/j/ より引用)

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