時代の正体〈396〉副読本改訂問題(下)殺す子ども生まぬため

関東大震災虐殺考

差別の正当化


 副読本リニューアルの発端となった2012年7月の横山正人市議(自民党)の市会常任委員会における発言で、見過ごせないものがある。

 中央防災会議報告書を引き、「日本人の犠牲者に対しては当時のお金で16円の国費から弔慰金を支出しているようですが、朝鮮総督府は、特段、朝鮮半島出身者の方に200円支出している。むしろ手厚く保護をしていたという事実はこの中にも記載されています」と指摘。よって「虐殺」という表現と、その主体を「軍隊と警察」としている記述を「はなはだ遺憾」としている。

 だが、補償がされていたことと虐殺の歴史を教えないということは別問題だ。何より報告書を誤読、あるいは曲解していることに問題がある。

 横山氏が引用した報告書には、こうある。...

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